イタリアの大学院に正規留学を目指し、情報収集、出願、やっと合格通知を受けとれた!
これで晴れてイタリアの大学院に通える!
とわくわくうれしい気持ちになっている人も多いと思います。
でも、ちょっと待ってください!
実は、イタリアの大学院に正規留学するためには、少しややこしい書類プロセス【最終学歴の成績・卒業証明書の等価証明】を通らなければなりません。
実際、筆者はとてもこの手続きに苦労したので、今後「等価証明」をする人のために、大使館や外務省とのやり取りについて準備の方法をシェアしたいと思います!
ここに記録しているのは2021年8月時点の、在「東京」イタリア大使館の対応です。
大きく変わることはないにしても多少の差があるかもしれないので、手続きをされる方は、直接各機関に確認するのがおすすめです!
等価証明はイタリア正規留学に必要?
「等価証明」とは、イタリアの大学や大学院に進学する外国人の学生に対して、イタリア政府・大学が「本当にその資格があるのか?」を確認できるように求める証明です。
イタリア正規留学の前準備として、「最終学歴」の等価証明が必要になります。
つまり、大学(学位取得)のために留学をする方は高校の卒業・成績証明書が必要になり、大学院(修士取得)留学の方は大学の卒業証明書が必要になります。
イタリア大使館の「ビザ申請の必要書類」の欄には書かれていませんが、正規留学の場合はビザ申請で確認されます!
余談ですが、日本以外の大学を卒業された方の等価証明は在日本イタリア大使館では対応してもらえない可能性がありますので注意が必要です。
卒業証明書の等価証明
卒業証明書と言うのは、高校や大学の卒業を証明する書類です。
大学に入学・卒業した年月日、専攻、取得したタイトルなどが記載され、学校長(校長)のサインと印鑑が押してあるものが必要です。
国によって教育システムが異なるため、日本の「大学卒業」が大学院進学に(もしくは「高校卒業」が大学に入学するのに)ふさわしい資格であることを証明するためのプロセスです。
ちらっと聞いた話では、イタリアは高校までの教育を「12年間」でまとめてカウントしているようです。(小中高?)
大学への留学を考えている方は、高校3年間だけの卒業証明だけでは年数が不足していると指摘される可能性もあるので、イタリア大使館か、進学先の学校に確認をとるのが安心です。
成績証明書の等価証明
成績証明書とは、最終学歴にあたる学校を卒業した際に受け取った最終的な成績表です。
例えば、日本の大学を卒業して日本で学位を取得した人は、基本的にGPA4.0を満点として成績をつけてもらったと思います。
これに対し、イタリアでは満点が30.0点であるため、「日本で受けとった成績が、イタリアの大学だった場合はどのくらい」というのをざっくり伝えるために行います。
ちなみにフランスは20.0点、スペインは10.0点です!
等価証明への道①:成績・卒業証明書の取り寄せ
最初のステップは成績・卒業証明書の取り寄せです。
外務省における公印確認は、3か月以内の書類でなければいけないので、早くとりすぎないように注意しましょう。
筆者の母校では、オンラインでの取り寄せが可能で、1週間以内にすぐに届きました。
値段は大学によるかもしれませんが、母校は1枚300円+送料でした。
日本語と英語から選べる場合があると思いますが、進学先の学校から特別な指定がない場合は英語の方がいいと思います。
いずれにせよ、この後イタリア語への翻訳が必要になりますが、心配な方は、日本語1部、英語3部くらい取り寄せておくといいと思います。
届いたら、まず「コピーとスキャン」を行いましょう!
原本はいろんな人の手に渡り、時には別の提出先から緊急で求められ、必要な書類がなくて対応できない!と焦ることもあります。
原本、公印確認後、翻訳語、等価証明後、これらのプロセスが終わって自分の手元に書類が届いたら、その都度データ化して保管しておきましょう。
等価証明への道②:外務省での「公印確認」
最終学歴の成績・卒業証明書が母校から届いたら、次のステップは外務省での「公印確認」です。
「公印確認」とは、日本で発行された書類に押されている判子(その場合は校長の印)が公式に価値のあるものであることを外務省に認めてもらう作業です。
似たような手続きで「アポスティーユ」というものがありますが、進学のための等価証明に関しては、イタリア大使館では受け付けてもらえませんでした。
この手続きを経ることで、先ほどの証明書を「外国で誰かが勝手に発行した謎の書類」から、「公式に日本の権威が価値を認めた書類」に昇格させることができます。
筆者が申請に行った2021年8月時点では、新型コロナウィルスの影響で書類の直接の受け渡しが禁止されていました。
郵送での申請の場合、必要な書類は下記の3点(誰かに委任する場合4点)です。
- 証明が必要な公文書(発行日より3か月以内の原本)
- 申請書(公印確認またはアポスティーユ)
- 委任状(代理人の方による申請のみ)
- 返送先を記入した封筒(切手貼付)、レターパックなど
必要書類は以下からダウンロードできます。
郵便によるやり取りの場合、受け取りまでに合計1週間程度かかります。
等価証明への道③:英伊翻訳の依頼
大学によっては英語のみでOKというところもあるかもしれませんが、イタリア語翻訳をつけておいた方がなにかと便利だと思います。
筆者は、英語で成績・卒業証明書をとっていたので、英伊翻訳者を自力で探さなければ…と思ってイギリス系やアメリカ系の英伊翻訳者とコンタクトをとっていました。
しかし、イタリア大使館の人とやりとりをするうちに大使館指定の英日伊翻訳者を通すのがベストだとわかり、結果的にはそちらを利用することにしました。
結論から言うと、本当に大使館指定の翻訳者さんにお願いしてよかったです。
大使館とのやり取りをかなり代行してくださり(この方が特別丁寧だったのかもしれません)、急ぎで焦っていたこちらの状況も加味してものすごく迅速に対応してくださいました。
正直、外務省、大使館、進学先大学とのやり取りがうまくいかずに疲弊しきっていたため、この翻訳者さんの対応に心から救われました。
学生ビザ申請の流れにも慣れていらっしゃる様子で、滞りなく申請ができるようにアドバイスや準備をしていただき…
なにかまた英日伊翻訳の必要があれば、絶対に同じ翻訳者さんに頼もうと思いました。
卒業証明書、成績証明書(その裏面の成績互換システムの説明)+大使館とのやり取り代を合計し、翻訳費用はピッタリ4万円でした。
翻訳を海外の翻訳会社に外注しようとしていたときは3万円程度の見積もりのところが多かったのですが、認可されるかわからない翻訳会社にお願いするよりは、大使館指定の人に最初からお願いした方が絶対にいいと思います。
等価証明への道④:イタリア大使館での「等価証明」
最後のステップは、イタリア大使館での「等価証明」です。
公印確認とイタリア語翻訳をつけた状態の書類を、イタリア大使館に郵送します。
必要なものは以下の4点です。
- 等価証明申請用紙
- 等価証明が必要な書類の原本
- レターパックの返信用封筒
- パスポートのコピー
送り先は「〒108 – 8302 東京都港区三田2-5-4 在東京イタリア領事館 領事部」この住所でした。
等価証明は、イタリア大使館領事部の忙しさによって時間のかかり方はかなり変わるようで、人によっては10日以上かかることもあるようです。
筆者の場合は、1週間かかると言われていましたが、実際は書類が到着したその日に完了したという連絡があり(はや!)、間に合わないかもと不安になっていた分、いい意味で拍子抜けしました。
基本的にはレターパックで返信してもらい、それを持ってイタリア大使館へビザ申請に行くという流れになります。
等価証明の書類は、イタリアでの様々な手続きで必要になるので、受け取った後は大切に保管しましょう!
それぞれの納期・費用まとめ
それぞれの過程をすべて郵送で行った場合にかかった納期と費用についてまとめます。
基本納期(郵送の場合) | 代金(+郵送代) | |
卒業校への成績・卒業証明書申請 | 5営業日 | 1枚300円 |
外務省への公印確認 | 5営業日 | 無料 |
英伊・日伊翻訳 | 3営業日 | 4万円 |
イタリア大使館等価証明 | 3~10営業日 | 無料 |
これはあくまで2021年8月に筆者が行った手続きの例ですので、「だいたいこれくらいか~」という感じで見てください。(特に卒業校や翻訳者さんの部分)
筆者は、かなり急いでやって等価証明が取れるまで18日かかりました。
特に翻訳や等価証明の部分は、そのときの忙しさが大きく影響すると思うので、余裕をもって申請するに越したことないです。
まとめ:とにかく確認!そしれスキャン!
ここまで等価証明の流れについて紹介してきました。
感じ取ってもらえたかわかりませんが、いろんな機関とのやり取りをしまくらなければいけないので、かなりストレスが溜まります!(笑)
しかも、ビザ申請まで時間がない場合は、とにかく焦ります。
一番よくないのは、確認をとらずに作業を進めてしまい、時間がたってしまったあとで間違いに気づき最初からやり直しになることです。
筆者はアポスティーユした書類を「等価証明してください」とイタリア大使館に送ったら受け付けてもらえず、過程をすべて一からやり直すことになりました。
幸い、外務省(証明班)と在東京イタリア大使館(領事部・ビザセクション)は電話にすぐに出てくれます。メールも返ってきます。
少しでも「大丈夫かな?」と思ったことがあれば、とにかく電話をかけて相談した方がいいです。
また、大学→自分→外務省→自分→翻訳者→自分→イタリア大使館→自分という感じで、書類は何度もいろんな場所を移動します。
なにかトラブルがあってもすぐに対応できるよう、必ずスキャンとコピーをその都度とりましょう!
手続きがごちゃごちゃしていて難しいかもしれませんが、なるべく時間に余裕をもって、確認をとりながら進めてくださいね!
頑張ってください!!!(´;ω;`)
以上、イタリア正規留学のための等価証明の準備方法でした!
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