語学学習をしている人なら、誰でも一度は挑戦する(?)であろう、洋書精読。
新型コロナウイルスの影響で外に出られないので、この機会を利用して「洋書精読を真剣にやってみよう!」という目標を立て、一か月が経ちました。
ちなみに読んでいるのは、スペイン語訳された「村上春樹さん」の作品です。
今回は、これから洋書を読んでみようと思っている方に向けて、精読のやり方と本の選び方、コツなどをご紹介してきたいと思います!
なお、ここで書いているのは個人の経験・意見です。筆者は専門家ではないので、一市民が精読を続けた感想として読んでいただければ!
こんな人に向けて書いてます
この記事は、以下のようなことを考えている人に向けて書いています。
洋書をすらすら読めるようになりたい!
文法の勉強ばかりで飽きた
ワンステップ上の読解力を身に着けたい
語学勉強中だけど、洋書精読って効果あるの?
洋書を読みたいけどどんな本がいいの?
精読をする際のコツって?
「洋書」を読んでる自分って、それだけでかっこいいですよね。
でもせっかくなので、「かっこいい」で満足するだけでなく、語学習得に活かせるように、いくつかノウハウをシェアできたらと思います!
一か月洋書精読をした効果
まず結論から。
一か月間洋書精読を続けてみた結果、訪れた変化はこちら。
語彙がじわじわ増えた。
忘れていた文法を思い出した。
細かい文法構造を解剖する癖がついた。
スペイン語を読むことに抵抗がなくなった。
過去形に強くなった。
自然な熟語の使い方を知れた。
めっちゃ上達した!!という感覚は、正直ありません。(笑)
語学習得の道のりは長いですね…
でも、確かに成長している部分もあるので、今後も続ける予定です!
語彙・文法力は微増?
読む速度に関しては、やや早くなりました。
単語力は、まったく伸びていないわけではないでしょうが、「めっちゃわかるようになった!」というわけではありません。
甘くないですね
後述しますが、品詞分解の速度は格段に上がりました。
今まではさーっと文を読んで、単語の意味で内容を推測(笑)している感じがあったのですが、一か月ほぼ毎日全訳を続けたおかげで、「この単語はこの役割」「この単語はこの単語とセット」などが自然とわかるようになってきました。
過去形に強くなった
小説の多くは過去形で書かれているので、小説を毎日読むことで「過去形慣れ」しました。
英語は活用が簡単なのでそこまで問題にはならないかもしれませんが、大過去など、意外とパッと出てこないこと、ありませんか?
小説だと、過去の過去の話は全部「大過去」が出現するので、自然と複雑な活用にも慣れていきます。
スペイン語は動詞の活用が鬼のように多いので、正直過去形は苦手でした。
時制が13個くらいある言語です。ははは
ですが、毎日精読を続けていたら、自然と活用に慣れてきて、過去形もすらすら訳せるようになりました。
時制迷子にならずに読めるので、日に日にストレスが減っていく感じがします!
洋書精読がおすすめな人
洋書精読なんて、相当語学レベルが高い人がやることでしょ?
と、思われるかもしれませんが、実はそうでもありません。
語学レベルよりも、他の部分で向き不向きがわかれるような気がします…!
辞書を引くのが苦にならない人
文字を書くのが好きな人(日本語)
読書が好きな人
上記に当てはまる人は、洋書精読がバシッとハマる可能性があります。
筆者の個人的な感覚ですが、「文字を書くのが好き」っていうのは、かなり大きなモチベーションです。(笑)
文字を書くことが大好きで、ノートにびっしり並んだ文字を見るのが至福なので(自己満です)、無心で文字を書き続けられる人はそれだけで楽しいです。
辞書に触れる習慣
語学学習者の中にも、辞書が嫌い!って人と、辞書大好き!って人がいる気がします。
筆者は別にどっちでもないですが、辞書も、使っていくうちに上手に引けるようになってきました。
辞書が上手になるというのは、「正解にたどり着くスピード」があがるということです。
英語であれば、動詞の中には前置詞との組み合わせで意味が変わるものがいくつかありますよね。
辞書の引き方に慣れていないと、その前置詞を見落としてしまい、全く頓珍漢な訳ばかりになってイライラしてしまうことがあります。
スペイン語学習初期の私ですね!
でも慣れてくると、「これはこの単語との組み合わせで意味がありそう」など、直感的にわかるようになってきます。
つまり、慣れれば自然と脳内で品詞分解ができるようになっていくということなんだと思います。
学習を始めたばかりでもできる?
まだ文法のレベルが低いから洋書読むなんて無理…
と思った方。
もちろん、洋書精読をするには一定の文法レベルが必要です。
しかし、めちゃめちゃ高いレベルである必要はありません。
これは英語で言ったら、This is a penがわからない人が本を読むのはかなり無謀ですよね、ということです。
筆者は精読がわりと好きなので、スペイン語レベルA2(初級)の頃からやっていました。
ただし、教材はちょうどいいレベルを選ぶ必要があります。
逆にB2(TOEIC700~800点)以上のレベルの人は、文法問題だけをやり続けてもつまらないというフェーズに到達しているかもしれません。
そういう方には圧倒的に精読はおすすめです!
「多読」「速読」「精読」いずれも重要ですが、一段階上のレベルを目指している人にとって、「細かいニュアンス」をきちんと読みわける訓練は重要だと思います。
まだ原文だけで読むのに不安がある…という人には、日英対訳付きの本もあるのでそれがおすすめです。
逆に精読が向いていない人
細かい文字を見続けるのが苦手。
本を読むことがそもそも嫌い。
字を書くのが嫌い。(PCでもいいと思いますが!)
基本的な文法がまだ身についていない。(~A2)
という感じです。
語学学習の目的や方法は本当に人によるので、「合ってないな」と思う方法を無理やり続ける必要は全くありません!
洋書精読におすすめの本
では、どんな本を選んだらいいの?
まず一番大事なのは、「興味があるものを選ぶこと」です!
これめっちゃ大事。
読んでいて楽しいもの
一度日本語で読んだ本もOK
レベルにあった本
慣れないうちは薄めの本
書き込みできるもの
小説なら過去形を学べる
雑誌ならフォーマルな文を学べる
「読んでいて楽しいもの」というのがマジで一番大事です。
つまらない本を読むのって、普通に日本語でもしんどいですよね。
一度日本語で読んだ本も!
個人的に、もっともハードルが低いのは、一度日本語で読んだことのある本です。
内容がすでに頭に入っていると、「これ、この言葉だとこういう表現ができるんだ!」と思えますよね。
ただ、なんでもかんでもいいというわけではない気がします。
本当に気に入っている本で、「これを読むんだ!」という意思があれば問題ありませんが、レベルに合っていない本をいきなり選んでしまうと挫折する可能性もあります。
英語だと、筆者はハリーポッターを読んでいます。
イギリス英語の違いがわかっておもしろいです!
レベルに合った本って?
先ほども言ったように、筆者は学習初期の頃から精読をしていましたが、最初の頃は本当にめちゃくちゃ時間がかかっていました。
語彙がないのももちろんですが、なにより文法的に知らないことが多すぎて、いくら辞書を引いても解決できない問題が多発していたからです。
まだ学習を始めたばかりの人であれば、子ども向けの絵本を読むのも結構楽しいです。
文法も語彙も優しい上に、文字が大きいとページをめくる頻度が増えますよね。
薄い本だとしても、一冊読めた!という達成感は、自分の自信につながります!
書き込みできるもの
洋書には直接書き込めた方がいいです!
なので、図書館で借りるよりも、自分で買うのがおすすめです。
英語なら、洋書の本屋さんでも結構いろんな本が売っていますよね。
なぜ書き込みができた方がいいかと言うと、文法でわからなかったところをチェックしておけるから。
そしてボキャブラリーも直接書き込めるから。
そして何より、書き込みがたくさんされた洋書は、かっこいいです!!
自分がどこまで読んだのかをパラパラめくって実感することができます。
後でレベルがあがったときに、「当時はこんな単語もわからなかったのか…」としみじみできます。
小説?雑誌?
先述した通り、小説は過去形の練習になるのでおすすめです。
会話文が多ければそこまで難解な訳は出てこないし、ストーリーが面白ければ続きが気になって集中して読めます。
ただ、それなりに読解ができるレベルの人は、訳本よりは、原文の方がいいです。
筆者は新型コロナウイルスの外出禁止機関に入る直前に友達にたまたまスペイン語版村上春樹をもらったので、それを読んでいます。
が、日本語の表現を無理やりスペイン語に訳したのだな…というのが感じられ、「ピュアな」スペイン語と言う感じがしません。
あと、文章の流れも日本式なので、訳しやすいです。(良くも悪くも)
本当にレベルを上げたい!という人には、ネイティブの作品をおすすめします!
実は筆者、同時進行で歴史系の雑誌を「写経→全訳(精読)」の流れで読んでいるのですが(大学では歴史学専攻)、全く違う発見があります。
アカデミックな文章の美しさや、フォーマルな言葉遣いに触れられるのは、断然雑誌です。
語学試験の対策の一環で精読を考えている人には、圧倒的に雑誌をおすすめします。
洋書精読のやり方
特にこれと言ってやり方はないのですが、筆者は以下の流れでやっています。
1日2ページやる
一文ずつ訳す(コンマまで)
最初に全体を読む
そのとき知らない単語に下線
文を読み終えたら一気に辞書で調べる
意味を本文に直接書き込み
全体の文をもう一度見ながら翻訳
こんな感じです。
毎日やらなくてもOK
私は1日2ページという目標にしているのは、多すぎず少なすぎず、無理せず続けられる量だからです。
最初は、「あ~なんか今日めんどくさいな~」と思うときもあります…
が、一度読み始めると意外と2ページは読めます。
読んでて途中でやっぱ今日無理かもってなったら、1ページで辞めます(笑)
極端に会話文が多く文量が少ないページだと3ページ分やったりしますが、基本は2ページがちょうどよかったです。
ただ、本当に忙しいときや気分が乗らないときは、やりません。
「義務」になりすぎると楽しくないので…
毎日続けられる人は最高ですが、無理な人は全然サボって大丈夫です。
最終的に「やめない」ことが大切です。
もちろん題材が合わなければどんどん変えていいと思います。
訳は基本「後ろから前へ」!
スペイン語も英語も、完全に日本語に直そうとすると、頭から訳すと文がぐちゃぐちゃになります。
基本は、「後ろから前へ」です。
主語だけ書いて、あとは後ろから順番に進めていくと、日本語でも意味の通った文章にすることができます。
頭から訳していってしまうと、途中でひょっこり現れた関係代名詞に「あああ!」となります。
落ち着いて、全体の文構成を把握してから訳しましょう!
関係代名詞で迷子になる人は、そこだけ囲って置くのもコツです
単語は、覚えられないもの
覚えられないんかーい!
と思いますよね。
私も思います。
この単語見たことあるし絶対調べるの初めてじゃないけど、思い出せない~って経験、みなさんもあると思います。
ありますよね!?
筆者はこれを何回も何回も繰り返して、気づいたら覚えている、という感じで単語を覚えています。
「私の脳みそって…」と悲しくなりますが、短期気多くよりも、少しずつ複数回繰り返して覚えたものの方が長い間記憶に残りやすいらしいですよ。
だから、同じ単語を何度も調べる羽目になっても、「これでまた私の記憶が一つ強固になったフフフ」と前向きにとらえましょう!!
まとめ:好きこそものの上手なれ
語学学習者なら誰もがもつ「洋書」への憧れ。♡
難しそうって思うけど、実際はそんなにめっちゃ難しいわけではないと思います。
現状のレベルに合った本を選ぶこと、そしてうまく読めない自分を許してあげることが、一番大事です。(ちょっと哲学的)
「洋書読んでる自分、カッコイイ!」という気持ちもとっても大事です!
洋書精読は自分に酔いながら語学学習ができる、一石二鳥な方法です。
気になる人は、これらを参考にぜひ試してみてくださいね!
以上、洋書精読を1か月続けてみた結果でした!
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