クラクフに限らず、ヨーロッパ観光で人気のスポットは「教会」ですよね。
でも実際、教会ってどれも同じに見えてしまう…違いがわからない…
そんな人も多いと思います。
特に古くはポーランドの首都が置かれていたクラクフには、歴史ある重要な教会が多く存在しています。
しかし、その多くは日本語の情報でアクセスできないことも多く、スルーしてしまう人も多いかもしれません。
そこで今回の記事では、そんなクラクフの教会について、これまで欧州120以上の教会を訪れた筆者が、それぞれの特徴について徹底的に解説していきたいと思います!
ポーランドは敬虔なキリスト教国
一言でヨーロッパと言ってもそれぞれ異なる文化を持っており、キリスト教の中にも、カトリック、プロテスタント、ギリシア正教などの宗派があることは皆さん耳にしたことがあると思います。
そんな中で、現在(カトリック教国と言われている)スペインに住んでいる筆者がよく耳にするのが、「ポーランドは非常に信心深い国の一つ」ということです。
実際筆者はクラクフに滞在中、閉店間際のショッピングセンターのベンチに座っていたところ、ホームレスらしき男性に新しい靴、服、食べ物などをプレゼントしている家族を見かけました。
会話はポーランド語だったので、内容はわかりませんでしたが、その家族はホームレス男性の手を握り、長い間お祈りをしていました。
この出来事を見たことで、「ポーランド人の信心深さ」を実感し、街中の教会に常に生花が添えられているのも納得がいきました。
生花があるということは、それだけ頻繁に教会に通う人がいる、ということです。
クラクフ教会巡り①:聖マリア教会St. Mary’s Basilica
クラクフ観光のメインの一つともいえる「聖マリア教会」!
ここでは、他のヨーロッパの教会では見ることのできない、力強い色彩の内部装飾を見ることができます。
概要
建立:14世紀
宗派:ローマ・カトリック
様式:ブリック・ゴシック様式(ポーランド・ゴシック様式)
建立者:カジミェシュ3世ヴィエルキ(Kazimierz III Wielki)
クラクフの中央広場を眼下に望む、二つの尖塔が特徴の「聖マリア聖堂」。
その正式名称は『聖母被昇天教会』(ポーランド語: Kościół Wniebowzięcia Najświętszej Marii Panny)ですが、「聖マリア教会」の名称で親しまれています。
1978年にはユネスコ世界遺産に登録されました。
基本情報とアクセス
英語名:Saint Mary’s Church
ポーランド語:kościół Mariacki
営業時間:
月~土11:30-18:00
日・祝14:00-18:00 ※例外あり。こちらから確認できます。
料金:
通常 / PLN 10(約290円)
シニア 65歳以上 / PLN 8(約230円)
学生・子供 / PLN 5(約145円)
公式サイト
聖マリア教会では、祈りをする人のためのエリアと、観光用のエリアが分けられています。
正面入り口は、お祈りをする人のための入り口なので、正面から見て右側にある入り口から入ります。
チケット売り場は、観光用入り口の正面にある建物の一階です。
見どころ
この「聖マリア教会」の内部装飾の美しさは、目を見張るものがあります。
ヨーロッパの多くのゴシック聖堂では、ステンドグラス以外はシンプルな色調のものが多いですが、この教会は入った瞬間に衝撃をうけるほどの強い色彩が特徴です。
また、主祭壇裏の祭壇画、15世紀のものが現存しており、中世の祭壇画の中では「最大級」と言われています。
「聖マリア教会」に関するさらに詳しい情報を知りたい方は、こちらへどうぞ。
クラクフ教会巡り②:ドミニカン修道院
概要
建立:13世紀
宗派:ローマ・カトリック(ドミニコ修道会)
様式:ゴシック様式
中央広場から歩いて5分程度のところにある教会です。
筆者が訪れた時間帯はミサを執り行っており、内部には入りませんでした。
基本情報とアクセス
【ドミニカン修道院】
英語名:Holy Trinity Church
ポーランド名:Bazylika Świętej Trójcy
営業時間:09:30 – 11:30, 13:30 – 16:30
※日曜日は観光客への開放なし。ミサ中の観光はNG。
料金:無料
公式サイト ※ポーランド語のみ
ホームページだけではなく、看板などの情報もすべてポーランド語のみです。
ミサなどが行われている際は、内部に入らないように注意しましょう。
見どころ
ミサ中で内部に入れませんでしたが、これも非常に歴史のある教会の一つです。
700年以上前に建立された建造物が今も続いているってすごくないですか?
13世紀建立の歴史ある教会で、建築様式はゴシック様式に分類されます。
ドミニコ修道会によって建立された教会で、古くは多くの貴重な史料や聖品を所持していましたが、街の10%以上が消失したと言われる1850年のクラクフ大火の際に、その多くが失われました。
19世紀後半に建造物自体の復興が行われ、現在の美しい姿を取り戻しました。
クラクフ教会巡り③:聖フランシスコ教会
概要
建立:13世紀
宗派:ローマ・カトリック(フランシスコ修道会)
様式:ゴシック様式
この教会は、フランシスコ修道会を基盤として建立されました。
その後、1241年のモンゴル侵攻の際の打撃から、クラクフの貴族などの支援により再建が行われたといわれています。
基本情報とアクセス
英語名:Church of St. Francis of Assisi
ポーランド名:Klasztor i Bazylika Franciszkanów św. Franciszka z Asyżu
営業時間:
月~土10:00-16:00
日曜日13:00-16:00
料金:無料
公式サイト ※ポーランド語のみ
見どころ
薄暗い教会内部ですが、よく見ると壁画装飾が特徴的で、なんだかずっと見ていられる装飾パターンなんです!
聖マリア教会の内装と同様に、この聖フランシスコ教会の壁は黄緑色などの鮮やかな色彩が特徴です。
他のキリスト教教会ではこのような幾何学の壁面装飾はあまり見られませんが、クラクフではしばしばこのようなデザインに出会います。
また、この教会の主祭壇裏のステンドグラスは特徴的なタッチの絵が描かれており、モダンな雰囲気を感じされるデザインになっています。
クラクフ教会巡り④:聖ペテロ聖パウロ教会
概要
建立:16-17世紀
宗派:ローマ・カトリック
様式:バロック様式
中央広場からヴァヴェル城へ向かう道の途中にある教会です。
隣には、聖アンドリュース教会があります。
クラクフにある歴史的教会建築の中では、最大の収容人数を誇ります。
基本情報とアクセス
英語名:Saints Peter and Paul Church
ポーランド名:Kościół ŚŚ Piotra i Pawła w Krakowie
営業時間:
月~土9:00-17:00
日曜日13:30-18:00.
料金:無料
公式サイト ※ポーランド語のみ
見どころ
華やかな見た目のお陰で(?)観光客も多く訪れる、開かれた教会という印象を受けました。
典型的バロック様式を兼ね備えた外観は、多くの聖人像が並んでおり、入る前から聖性を感じされる造りになっています。
祭壇部分にはドームがあり、周辺はきめ細やかでな装飾で覆われています。
主祭壇部分のみならず、全体的に白を基調とした荘厳な建築です。
クラクフ教会巡り⑤:聖アンドリュース教会
概要
建立:11世紀
宗派:ローマ・カトリック
様式:ロマネスク様式、要塞型
聖ペテロ聖パウロ教会のすぐ横にある背の高い教会です。
個人的にとってもお気に入りなので、ぜひとも皆さんに訪れてほしい教会です!
基本情報とアクセス
英語名:St. Andrew’s Church
ポーランド名:Kościół św. Andrzeja
営業時間:09:30-11:30, 13:00-14:30, 15:15-16:30.
料金:無料
公式サイト ※英語対応
見どころ
正直この教会は絶対に訪れてほしいです…!!!
なぜなら、この教会はポーランド国内に現存する「ロマネスク様式」の教会の中で、最も状態が良いというだけではなく、ヨーロッパでも数少ない、現存する「要塞型教会」の好例と言われているからなのです!
この聖アンドリュース教会は、1241年のモロッコ軍のクラクフ侵攻の被害を免れた唯一の教会と言われ、11世紀に建立された状態から、修繕を繰り返しながら今に至りました。
内部に入ると、半地下になった祈祷場所と、フェンス越しに見える祭壇の装飾が目に入ります。
※内陣部分はバロック様式です。
理由を知らなければ、「やけに狭くて暗くて(ボロい)教会だな…」と思ってしまいそうですが、「11世紀建立」「要塞」という側面を考慮すれば、きっと納得ができます。
レアな教会体験をしてみたい人にぜひおすすめです!
まとめ:見ごたえのある教会がたくさんある古都クラクフ
クラクフは古い街並みの残る、見どころの多い街ですが、中でも教会はそれぞれ特色があり、教会巡りをするのに最適な街だと感じました。
また、聖マリア教会以外は、日本語での情報が非常に少なく、情報がないがゆえに見ごたえのある教会をスルーしてしまった!なんてこともあるかもしれないと思い、今回この記事をまとめました。
クラクフ観光で、その長い歴史を感じてみたい!と思う方、ぜひこれらの教会を周ってみてください。
以上、クラクフの教会おすすめ5か所の解説でした!
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