チェコ共和国の首都、プラハ。
最近では中欧を巡るツアーも増えたことで、日本人からも人気の観光スポットになっています。
そんなプラハのシンボル的な存在の一つが、このプラハ城。
小高い丘に凛々しく建つその姿は、プラハの洗練された雰囲気を一層引き立てています。
今回の記事では、プラハ城散策の際のおすすめのチケットの種類、プラハ城の見どころ、無料で周れる範囲などについてご紹介していきたいと思います!
プラハ城:基本情報
プラハ城(チェコ語:Pražský hrad)は、世界でも最も古く大きい城の一つと言われています。
上空から見るとその形は長細く、東西に430mにわたります。
長い階段を上った先にある城門から入ると、チケットセンターのある聖ヴィート大聖堂の周辺まで向かうには、10分ほどかかります。
坂道が多くて結構きついので、必ず歩きやすい靴で!
歴史
プラハ城の歴史は、9世紀後半から始まったと言われています。
このときはじめて建設されたのは聖母教会と呼ばれる聖堂であり、11世紀の火災で崩壊した後一時は修繕されたものの、13世紀に再び破壊されたまま、再建されることはありませんでした。
その後、聖ヴィート大聖堂を含む王宮は、14世紀にボヘミア黄金時代を築いた神聖ローマ皇帝カール4世により、ゴシック様式に建て替えが開始され、改築を繰り返しながら今の姿に至っています。
施設情報
営業時間:
・プラハ城敷地内 6:00-22:00
・城内各施設 9:00-16:00(夏季17:00まで)
・聖ヴィート大聖堂 月~土9:00-16:00、日12:00-16:00(夏季17:00まで)
※夏季観光シーズン(4月1日~10月31日)
※礼拝中の教会内部への一般観光客の立ち入りは禁止です。礼拝の日程はこちらより
プラハ城公式サイト (日本語あり)
プラハ城:チケット
見学コース(入場券の種類)
公式サイトによると、プラハ城の見学コースは以下の通りです。
■プラハ城 - Aコース 350Czk (約1,670円)
旧王宮、常設展「プラハ城歴史物語」、聖イジー教会、黄金の小道、火薬塔、聖ヴィート大聖堂、ロジュンベルク宮殿
■プラハ城 - Bコース 250Czk (約1,200円)
旧王宮、聖イジー教会、黄金の小道、聖ヴィート大聖堂
■プラハ城 - Cコース 350Czk (約1,670円)
聖ヴィート大聖堂宝物展、プラハ城美術館
■常設展「プラハ城歴史物語」 140Czk (約670円)
■聖ヴィート大聖堂宝物展 250Czk (約1,200円)
■プラハ城美術館 100Czk (約480円)
■聖ヴィート大聖堂大南塔 - 展望塔 200Czk (約960円)
※1Czk=4.7円として(2020年2月現在)
チケット情報 プラハ城公式サイト日本語
おすすめチケット
プラハ城の見どころはなんと言っても聖ヴィート大聖堂と、聖イジー教会、黄金の小道なので、この三つを外さないためにもBコースはぜひ選択してほしいところです。
私はAコースのチケットを購入し、すべてのエリアを見学しましたが、正直Bコースでもよかったかな~と思いました。
よほどボヘミアの歴史、チェコの歴史に興味があれば、常設展「プラハ城歴史物語」は面白いかもしれませんが、そうでなければそこまで見ごたえのある展示ではない…と思います。
プラハ城:アクセス
プラハ城へのアクセスは大きく分けて5ルートあります。
以下、公式サイトより引用です。
ルート1(最も快適でわかりやすいルート)
22番の市電停留所「プラハ城(Pražský hrad)」下車後、左手の道を5分ほど進んで行くと、第二の中庭の噴水に行きつきます。
ルート2(下り坂の快適なルート)
22番の市電停留所「ポホジェレッツ(Pohořelec)」下車後、坂を下りて10分ほど歩いて行くとフラッチャニ広場(Hradčanské náměstí) に出ます。その正面に見えるのが、第一の中庭へと続く巨人の正門です。
ルート3(マラー・ストラナの屋根を眺めながら歩く、登り坂ルート)
22番の市電を停留所「マラー・ストラナ広場(Malostranské náměstí)」で下車後、ネルダ通り(Nerudova)を左手に見てザーメツカー通り(Zámecká)を進んで行きます。通りを50mほど行ったところで左折し、トゥノフスカー通り(Thunovská)に入ると、突き当りが新王宮階段となっています。マラー・ストラナの美しい家並みを見下ろしつつ階段を上っていくと、フラッチャニ広場(Hradčanské náměstí) に行き着きます。プラハ城へは、広場に面した巨人の正門から入ることができます。
ルート4(素晴らしい景色が楽しめる登坂ルート)
地下鉄A線(緑のライン)「マロストランスカー(Malostranská)」駅下車後、市電22番のルートを辿って100mほど進んだところで左折すると、旧王宮階段に突き当たります。この階段を上り、聖ヴァーツラフ葡萄園を経て更に進んでいくと、ナ・オピシ門に到着します。ここからは、ヴルタヴァ川を望む素晴らしい景色をお楽しみいただけます。
ルート5(王宮庭園散策ルート ー 但し夏季のみ利用可)
22番の市電停留所「夏の宮殿(Královský letohrádek)」下車後、プラハ城敷地内に入り、ベルヴェデーレから王宮庭園内を15~20分ほど進んで行くと、プラハ城乗馬学校の向かいに出ます。
引用元:プラハ城公式サイト 交通アクセスより
個人的には、ルート4の景色がとても綺麗なのでおすすめです。
階段を上がった先に展望エリアがあります。
プラハ城:無料エリア
プラハ城の観光には、チケットが必要になるエリアと、無料で見学ができるエリアがあります。
筆者はプラハ城に合計3回行ったことがありますが、無料エリアのみでも十分雰囲気を楽しむことができると感じました。
行き過ぎ?(笑)
ただし、プラハ城の見どころの一つであるアール・ヌーボーの巨匠ミュシャが手掛けた聖ヴィート教会内のステンドグラスや、11世紀の内装を今に残す聖イジ―教会の内部など、濃いエリアを楽しむためにはチケットを購入する必要があります。
まず初めに、無料で散策できるエリアについて詳しくご紹介します。
展望エリア
地下鉄A線(緑のライン)「マロストランスカー(Malostranská)」駅下車から旧王宮階段を上った先に、プラハの街を一望できる展望エリアがあります。
ここに入る前には、そこそこ厳重な手荷物検査がありますが、料金自体は無料です。
プラハの街並みの展望エリアとしては、旧市庁舎の時計塔が鉄板中の鉄板ですが、ここから見る景色は近くのぺトシーンの丘が見えるなど、一味違った景色を楽しむことができます。
塔に登るのにお金のかかる旧市庁舎の時計塔とは異なり、ここは無料で行くことができるので天候や時間帯に合わせて何度でも訪れたくなる場所です。
王宮内
実はプラハ城は、城内に入ること自体は無料なので、散策をするだけならチケットなしで入場が可能です。
城内を歩いてみると、遠くから見上げたときに見える大きな建物は、実はお城ではなく聖ヴィート大聖堂だったということがわかります。
プラハの観光客がよく陥る勘違いです!
聖ヴィート教会の周辺には広場があり、教会の美しい外部装飾を楽しむには最高のスポットとなっています。
クリスマス時期には、クリスマスマーケットも開催されます!
聖ヴィート大聖堂
実は聖ヴィート大聖堂も、範囲は限られますが、無料で内部に入ることができます。
入り口すぐの範囲のみですが、全体の構造や、美しいバラ窓を見学するには十分です。
この写真は無料エリアから撮影しています!
ただし、先述した通り、ミュシャの手掛けたステンドグラスはチケットを購入しないと見られない位置にあります。
プラハ城の見どころ①:聖ヴィート大聖堂
先ほど聖ヴィート大聖堂は神聖ローマ皇帝カール4世によって建築が開始されたと述べましたが、実際完成に至るまでにはおよそ6世紀の年月を要しました。
理由は、宗教改革の先駆けともなったフス戦争などの戦乱。
そのため、聖ヴィート大聖堂の手前側の建築と、奥側の建築では、年代にして数百年の隔たりがあります。
完成したのは19世紀にはいってからのことでしたが、全体としての調和性を重視しつつ建設が進められたこともあり、注視してもそこに数百年の差があるとは気づきにくいようにできています。
ステンドグラス
ミュシャの手掛けたステンドグラスはもちろん有名ですが、それ以外にも見ごたえのある美しいステンドグラスがたくさんあります。
ゴシック様式の聖堂の多くでは、建築技術の向上により壁が薄く作られるようになり、「窓」を大きく作ることが可能になりました。
そのため、ステンドグラスを用いて聖書の場面や聖人の姿を表現し、文字の読めない信徒にも聖書の教えを伝えられるようにしたと言われています。
このプラハ城の聖ヴィート大聖堂では、教会内部をぐるっと囲むようにステンドグラスが設置されており、一歩ずつ進むごとに多彩な表情を見つけることができます。
聖ヤン・ネポムツキーの墓
聖堂の部分へ歩いていくと、チェコの守護聖人でもあるヤン・ネポムツキーの墓が内部に設置されています。
躍動感あふれる構造のこのお墓は、周辺に天使が舞ってベールを持ちあげているという、なんともドラマチックな構造になっています。
パッとみたら、本当に天使が宙を飛んでいるように見えるその構造はぜひ、ゆっくり立ち止まってみてほしいポイントです。
プラハ城の見どころ②:聖イジー教会
個人的に聖ヴィート大聖堂よりも気に入ったのがこの聖イジー教会。
非常に地味な内装で、つまらない…と思われるかもしれませんが、この聖堂、11世紀に建立された姿をそのままに残しているのです。
その後、増改築を繰り返された結果、入り口はバロック様式、主祭壇奥はゴシック様式、身廊部分はロマネスク様式と、様々な様式を兼ね備えた不思議な空間を創り出しているのです。
半円アーチの天井
聖イジー教会の見どころの一つは、ロマネスク様式の特徴でもある半円アーチの天井です。
石の重みを左右に分散しながら天井をつくるこの建築方法では、建てられる建物の高さが制限されます。
そのため、天井に施した装飾でも信徒によく見えるため、壁などに直接絵を描くのが一般的な装飾でした。
この聖イジー教会では、祭壇部分などに施された彩色を見ることができます。
厚い壁、小さな窓
ロマネスク様式を建築様式の基礎としているこの聖イジー教会では、先ほどの聖ヴィート大聖堂のようなステンドグラスや、大きな窓は見られません。
この建築様式では、建物の強度を維持するために、窓は小さく、最小限にとどめる必要があったのです。
そのため、内部は暗く、厳かな雰囲気が流れています。
窓の他にも、壁が分厚く、大きな石を使って建てられていることがわかります。
プラハ城の見どころ③:黄金小道
このエリアは、作家フランツ・カフカも住んでいたことのある場所です。
今ではおみやげ屋さんが並んでいますが、中には当時の生活を再現した展示もあり、かつてのチェコの人々がどのような生活環境にあったのかを知ることができます。
おみやげ屋さん
ここには様々なおみやげショップが並んでおり、たくさんの観光客でにぎわっています。
それぞれのお店ごとに販売しているものが異なるので、一つずつ覗いて違いを楽しむのもおすすめです。
二階には武器などの展示も
この黄金小道は一回のお土産屋さんエリアだけでなく、狭い階段を上って上階の展示品を見ることもできます。
個人的には、お土産屋さんエリアよりもこっちの方が見ごたえがあるので、ささっと通り過ぎてしまわないよう、ぜひ階段を上ってみてください。
まとめ:無料でも楽しめる!じっくり周るならBコースがおすすめ
プラハ城はプラハを代表する観光スポットです。
チェコの歩んできた歴史を知るためにも、できるなら半日は時間を確保して散策したいスポットではあります。
しかし、無料開放されているエリアが広いのも、このプラハ城の特徴です。
時間(もしくはお金)に余裕がない人は、無料のエリアの見学だけでも十分楽しむことができます。
見どころを抑えて効率よくプラハ城を周りたい!という人にはBコース、全体をじっくり見て過ごしたい!という人には、Aコースがおすすめです。
これらの情報を参考に、自分の旅のスタイルや目的に合わせて、最適な周り方を探してみてくださいね!
以上、プラハ城のチケット、散策方法についてでした。
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