モロッコ北部にあるシャウエンは、「青の街」と呼ばれ、その美しい景観から連日多くの観光客が訪れる人気の観光スポットです。
行ってみたい!と思っていても、日本人の私たちにとってはまだまだ馴染みがないので、安全な街なのか、治安はどうなのか不安になる人も多いと思います。
そこで今回は、実際に2019年10月にシャウエンを訪れた私が、現地の治安情報と観光における8つ注意点についてご紹介していきたいと思います!
シャウエンの基本的な治安について
筆者は2019年にモロッコ北部の三都市タンジェ、テトゥアン、シャウエンを女友達と二人で観光してきました。
結論から言うと、「想像していたより危険ではない」です。
ちなみに三都市の中では、シャウエンが最も観光地化されており、観光客にとっては過ごしやすい環境だと感じました。
お店などでは英語も通じます。(スペインからの文化的な影響が大きいエリアなので、アラビア語の他にスペイン語が話されています。)
「危険でない」とはいえ、やはり注意しなければいけない点がいくつかあります。
そしてそれらの多くは、モロッコの文化や危険なポイントを知っていれば防げるものです。
シャウエン治安・注意点①:肌の露出
露出をしない文化
「イスラム教」という言葉を聞くと、布などのベールで頭を覆った女性の姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
モロッコはスペインに近く、ヨーロッパの文化的な影響を受けているので、他のイスラム教国に比べて比較的寛容な部分もあります。
とはいえ、宗教が文化に大きな影響を与えており、観光客であってもそれらを尊重するのが無難と言えます。
女性の服装
だからと言って、イスラム教徒の女性のように髪の毛をストールで覆わなければいけないわけではありません。
夏場であれば、半袖でいることは、シャウエンのような観光地であればなんの問題もありません。
寒暖差が激しいので、長ズボンに羽織るものを一枚持っていくのが無難と言えます。
ただし、キャミソール一枚やショートパンツなどの服装は控えましょう。
ラマダン時期は特に注意
イスラム教には、「ラマダン」と呼ばれる「断食期間」があります。
飲食店なども閉まっている可能性があるので、この時期にはなるべくモロッコ観光をしないのが一番良いです。
しかしこの時期にモロッコに来てしまった場合は、服装を含むイスラム教の宗教理念を順守する姿勢が高まっているので、特に注意が必要です。
シャウエン治安・注意点②:日没後
暗くなってからは外に出ない
これはシャウエンに限らず多くの旅行先で言えることですが、現地の様子がよくわからない状態で夜間の外出は危険です。
強盗などの犯罪に巻き込まれる可能性も高まる上、入り組んだ街の造りによって迷子になってしまうことも考えられます。
夜に外にいる女性が少ない
特に、モロッコに滞在して感じたのは、夜間に外にいる女性が本当に少ないです。
モロッコの文化では、女性は家の中にいて家事をしたり子供の世話をしたりすることが求められており、夜間外出は男性のためのものという感覚が今も根強いようです。
日が暮れてから女性が外にいるとそれだけで目立つので、トラブルを避けるためにも、買い物などは早いうちに済ませておきましょう。
人通りの少ない路地は避ける
日が暮れ始めると、街の雰囲気はガラッと変わり、昼間に何度も通った道であってもまったく違う道のように見えることもあります。
安全な街ではありますが、人通りの少ない場所をフラフラしているとスリなどに狙われる恐れがあります。
また、重大事件などに巻き込まれる可能性もゼロではないので、自衛のためにも、少しでも不安に感じるような道は避けましょう。
シャウエン治安・注意点③:相乗りタクシー
必ず相乗りタクシーに乗る
シャウエンから他の街へのタクシーに乗る際は、基本的にローカルな人たちとの相乗りタクシーを利用することになります。
タクシー乗り場に行くと、「タンジェ!」「テトゥアン!」など、行先を叫んでいるタクシー運転手たちがいますので、行先のものに他の人と一緒に乗り込みます。
「個人で行きますか?」と聞かれても、必ず他の人との「相乗り」を希望する旨を伝えてください。個人だと高額な値段を要求される可能性が高いです!
行先に合わせて前払いする
料金は基本的に前払いで、「一人〇〇Dh」という形で支払いをします。
逆に長距離タクシーを利用する際に料金を徴収されないと、到着後に法外な値段を要求される可能性もあるので、都市間を移動するタクシーを利用する際は、必ず先に値段を確認しましょう。
【参考価格】
シャウエン→テトゥアン 35Dh(約420円)/人
シャウエン→タンジェ 75Dh(約900円)/人
シートベルトはない
モロッコのタクシーに、シートベルトという概念はありません。
シートベルトの着用が義務付けられていない、というわけではなく、「シートベルトがない」のです。
ちなみに人数制限という概念もありません。
渡しが乗ったタクシーは、後部座席の3人席に4人で詰め込まれたり、運転手がイライラしながら山道で追い越しを何度もしたり、かなりの恐怖体験でした。
シャウエン治安・注意点④:猫には触れない
猫は神聖な生き物
イスラム教において猫は神聖な生き物であり、市民からも大切にされているためか、猫たちは安心した様子で過ごしています。
特にテトゥアンでは、街を歩いているとたくさんの猫がくつろいでいるのを見かけますので、猫好きの人には幸せな街であると言えます。
野生でも飼い猫でも触れない
シャウエンの街中にいる猫は、「飼い猫?」と思うほど好き勝手に家に出入りしています。
私は一度、扉が開いている民家の中に猫が我が物顔で入っていくのをみかけました。
しかし、飼い猫であっても野良猫であっても、ワクチン接種などのプロセスを踏んでいない可能性があるので、触れるのは絶対にやめましょう。
シャウエンの猫は人に慣れているので、遊ぼうとして近づいてきます。
シャウエン治安・注意点⑤:水道水
水飲み場の水は絶対飲まない
シャウエンの街を歩いていると、街中に美しい装飾がされた水飲み場に出会います。
これらの水飲み場にはコップが備え付けられていることが多く、水が飲めるようになっていますが、当然、飲むのはおすすめしません。
水が綺麗かどうかも定かではないし、質の異なる水を観光客が飲むと、おなかを壊す可能性があります。
飲食店で水が出ても飲まない
飲食店で有料の水は、基本ボトルの水なので飲むことができます。
しかし、水を頼んで水差しで提供された場合は、少し慎重になった方がいいかもしれません。
不安な方は、ボトルの水をくださいというのが一番安全です。
シャウエン治安・注意点⑥:飲み物の氷
コーラなどは氷なしで
モロッコではお酒を飲む風習があまりないため、カクテルなどの氷を心配する必要はありませんが、ソフトドリンクを頼んだ際は、氷なしでいれてもらうことをおすすめします。
コーラ自体は、市販のものを注いでいても、氷が水道水を凍らせたものであった場合、繊細な人はおなかを壊す可能性があります。
フルーツジュースは大丈夫
北モロッコでは、フルーツジュースのお店をよく見かけます。
これの多くが、新鮮なフルーツをその場で絞って提供してくれるものが多く、安くてとっても美味しいです。
夏場であっても、フルーツ100%の状態で氷を入れずに提供してくれるので、これに関しては安心して飲んで大丈夫です。
お茶も大丈夫
モロッコと言えば!お茶!です。
とはいえ、日本人が想像するお茶とはだいぶ異なります。
ミントティーに砂糖が沢山入ったような飲み物で、これがとっても美味しいです。
加熱されていることもあり、私は滞在中5杯以上のお茶を飲みましたが、全く問題ありませんでした。
シャウエン治安・注意点⑦:トイレ
便器がない
場所によりますが、シャウエンの公共トイレは、便器がありません。
日本の和式トイレの簡易版のようなトイレになるので、最初見た人はびっくりするかもしれません。
紙がない
男子トイレはわかりませんが、少なくとも女子トイレには紙は置いていませんでした。
自分で紙を持参して拭いて、外のゴミ箱に捨てることになります。
潔癖症の人には少々きついかもしれませんが、あまり深く考えず、用が足せただけラッキーくらいの気持ちで行くのが吉、です!
流れない
ここまできたらまあ当然?ですが、トイレは流れません。
近くにバケツが置いてあったので、その水を流す?のかもしれません。
ゆっくりトイレに行きたい人は、街中の公衆トイレではなく、レストランやホテルで行くことをおすすめします!(なお、レストランのトイレに便器があるとは限りません!)
シャウエン治安・注意点⑧:お酒・豚肉NG
飲食店にもお酒はない
シャウエンに限らずモロッコ全土に言えることですが、宗教上の理由で、お酒と豚肉が禁忌とされています。
お酒好きの人にとってはショックかもしれませんが、モロッコの飲食店ではお酒はほとんど見かけません。
お店にもほぼ売っていない
このようにお酒を飲む文化があまりないため、スーパーマーケットなどに行ってもお酒を売っているところは少ないです。
(観光地化されたいくつかの都市では、探せば見つかるようです。)
モロッコでは飲まないのが無難
お酒を持参したり、探し出して買ったりすることはもちろんできます。
観光客が飲酒することを禁止しているわけではないので、法律に反する行為はわけではありません。
ただし、「飲酒」という文化がないことを理解し、それらを尊重した姿勢を持つことが大切だと思います。
まとめ:準備を整えればトラブルは防げる!
ここまで、シャウエンの治安情報と街歩きの注意点についてご紹介してきました。
私は正直モロッコに行く前は、「本当に安全なのだろうか?」と不安に思っていました。
しかし、冒頭でも触れた通り、シャウエンは観光客に対して開かれた街であり、普通に人が生活し、猫がのんびり日向ぼっこしているような街です。
重大事件に巻き込まれたり、ピリピリした雰囲気を感じたりすることは他のモロッコの街に比べれば少ないと言えます。
それでも、モロッコの文化、特にイスラム教の習慣に対するリスペクトの姿勢を大切にするのは観光客のマナーの一つでもあります。
楽しく安全に観光するためにも、上記に挙げた点に注意してみてくださいね。
以上、シャウエン観光の治安情報と8つの注意点でした!
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