外出しなくてOK!今すぐ無料で読める青空文庫の短編おすすめ10選

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日記
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はな

2019~2021年までスペインで語学留学。2021年秋からはイタリアで美術史修士課程。スペイン語 Dele C1, 英語 IELTS 6.5。社会人留学、語学学習ときどき旅行についてまとめています。趣味は美術館・教会巡り、ポストカード・古紙幣収集。

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海外に留学に来ているけど、今回のコロナ騒動で外に出れなくて暇すぎる
この時間を何か有効に活用にしたい
日本の本を読みたいけど売ってない…

そんな悩みを抱えている皆様に向け、スマホで、しかも無料で読めるおすすめの青空文庫をご紹介したいと思います!

ちなみにこのページで紹介している作品はすべて青空文庫へのページにリンクがついていますので、気になった作品はその場ですぐに飛べるようになっています!

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青空文庫とは?

青空文庫って聞いたことあるけど実際なに?と思われた方もいるのではないでしょうか。

通常、小説などの作品には「著作権」があるため、本として販売されているものの全文を無断でWeb掲載した場合、法律違反となり罰金・逮捕の対象になります。

しかし、作者の死後50年を過ぎた作品は著作権が切れることになっており、その「著作権切れ」の作品をデジタルに起こし、誰でもアクセスできるようにしているのが、「青空文庫」です。

そのため、青空文庫になっている作品は、「作品名」と「青空文庫」と検索するだけで、簡単に全文にアクセスできます。

素晴らしい取り組み…!感謝…!

ちなみに青空文庫は無料アプリもあります。

アプリ版だと、タテ読み、横読み、文字の大きさなど、細かい画面設定を自由に行うことができます。

しかも、いちいち作品名を検索せずとも、すべての青空文庫の中から気になった作者、作品を探して読むことができるので、非常におすすめです!

では、さっそく超個人的な目線で選んだおすすめの青空文庫10選をご紹介します!

太宰治『駆け込み訴え』

あまりに個人的に選びすぎて、10作中3作が太宰という結果に…

お許しください…(笑)

太宰治といえば『走れメロス』や『人間失格』が有名ですよね。

もちろんこれらも名作で、青空文庫で読めるのですが、今回はあえて『駆け込み訴え』という作品をおすすめします!

これ、イエス・キリストを銀貨30枚で役人に売ったとされる「イスカリオテのユダ」のお話なんです。

そのユダ目線で、イエスの居所をどうして役人に密告しようと思ったのかどんな思いでイエスとともに旅をしていたのかなどが、語られます。

実は太宰は、日本の文豪の中で遠藤周作に次いでキリスト教文化や聖書への造詣が深かったのでは(そんなのどうやってはかるんだと思いますが)と言われるほど、聖書に精通していたようです。

実際、彼の作品の中には、聖書に言及する場面が多く登場します。

この『駆け込み訴え』の見どころは、とにかく迫力がすごい。活字の域を超えている。

映画のような臨場感、緊迫した空気が伝わる名作です。

青空文庫:太宰治『駆け込み訴え

太宰治『ヴィヨンの妻』

名作中の名作

日本国内で何度も映画化されているので、話の内容を知っている人も多いはず。

この作品の見どころは、大変な状況にも屈さず、強くしなやかに生き抜く主人公「さっちゃん」の強さ。

そして、太宰らしい、重大な出来事をまるでなんでもないかのようにスーっと簡単に語ってしまう、不思議な静けさが漂う作品です。

主人公の夫がダメな人すぎて若干イライラしますが、こっちの夫の方に感情移入してしまう人もいるのでは。

この作品は短編にしてはやや長めですが、リズムよく場面展開が進むので、読書習慣がない人も気軽に読めるはず!

ちなみにこの作品を気に入った方はきっと『斜陽』も好きになると思うので、時間があればぜひ読んでみてください。

そして「上原派」か「直治派」か、語り合いましょう…

青空文庫:太宰治『ヴィヨンの妻

太宰治『女生徒』

太宰3作目。ご安心ください。

これで太宰は最後です。(笑)

女生徒』は、思春期に誰もが通るような厭世的で、怠惰な心情を、女生徒の目を通して語るという少し不思議な作品です。

朝目覚めて眠るまでの生活の描写が続くだけなのに、少しひねくれて、斜に構えた少女の心になぜか引き込まれてしまいます。

思春期の頃に自分が小説を書いていたら、こんな風だったかも。と思います。(笑)

この作品で私の好きなのが、この部分です。

「眼鏡をとって、遠くを見るのが好きだ。全体がかすんで、夢のように、覗き絵みたいに、すばらしい。汚ないものなんて、何も見えない。大きいものだけ、鮮明な、強い色、光だけが目にはいって来る。」

目が悪い人、共感しませんか?

読めば日常生活の彩度があがる、そんな小説です。

外に出られない今だからこそ、すがすがしい気持ちになれるかも。

青空文庫:太宰治『女生徒

梶井基次郎『檸檬』

言わずと知れた名作

なにがいいって、なんとなくおしゃれですよね。『檸檬』。

題名もいい。

物語は非常にシンプルで、大きな病気を患っている人が、檸檬を愛でる話です。

檸檬に触れたときにふっとひんやりとした気持ちよさを感じる人、本屋さんに通うのが好きな人、きっとこの作品のどこかで「わからないけどわかる!」と言いたくなるシーンがあるはず。

短くて淡々と物語が進むのに、なぜかふとした時に脳裏によみがえる、瑞々しい梶井らしい文章を楽しめる作品です。

青空文庫:梶井基次郎『檸檬

梶井基次郎『桜の樹の下には』

これは、たぶん賛否両論ある作品です。

大好き派と、苦手派です。

ちなみに私は「大好き派」です。

私は日本に住んでいるときに桜の樹を見ると、本当に無意識にこの「桜の樹の下には…」という冒頭文が頭に浮かびます。

桜って、なんであんなに美しいんでしょうか。

海外にも美しい植物はたくさんあるのに、日本の桜ほど私の心を震わせるお花って、他にないような気がする。

いま「わかる~」と思った方、ぜひこの作品を読んでみてください。

ちなみにショックを軽減するために冒頭文をご紹介しておきます。

桜の樹の下には屍体が埋まっている!これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。

青空文庫:梶井基次郎『桜の樹の下には

宮沢賢治『注文の多い料理店』

このタイトルを聞いたことがないという人はいないと思います。

だいたいのストーリーは知っているけど、読んだことがない、もしくは忘れてしまったという人も多いのではないでしょうか。

これ、子どものころはただ怖い物語という印象だった人も、大人になるとまた違った怖さ、宮沢賢治特有の不気味さを感じることができて面白いのです。

自然や動物をテーマにした作品が多い宮沢賢治ですが、文章は力強く、リズミカルな展開、繊細で独特な描写がハマる人はハマります。

読んで気持ち落ち込むというより、大いなる宇宙と繋がる系のトランス状態…というか、不思議な読後感を感じることができる作品が多いので、他の短編もぜひ読んでみてください。

青空文庫:宮沢賢治『注文の多い料理店

宮沢賢治『どんぐりと山猫』

かなり短く、シンプルですが、考えれば考えるほど、迷子になる作品です。

あらすじをざっくり説明すると、少年が山猫に頼まれてどんぐりの裁判の裁判官をするという作品です。

物語自体はスーッと進み、さらっと読み終えてしまうのですが、回収されないまま放置される伏線が多すぎて、現代の「緻密伏線回収型」の作品に慣れている私たちに、不思議な余韻を与えます。

個人的には、宮沢賢治の作品は「え?この描写はなんのためだったの?」と感じるものが多いのですが、それは永遠にわからないのです。

そもそもすべての描写がなにかの種である必要はないですしね。

読み手ひとりひとりによって十人十色の印象、感想が生まれるのが宮沢賢治作品です。

シンプルに見えて、意外とのどの奥にひっかかってとれないのは、このタイプの作品だったりします。

青空文庫:宮沢賢治『どんぐりと山猫

芥川龍之介『あばばばば』

あばばばば」ってネットスラングなんですね。

文豪がつけるタイトルにしてはあまりに唐突でダイナミックですよね。

でも、あなたは、この作品を読み終えたときにあぁ、そういうことだったのね」とこのタイトルにきっと納得します。

私は特別芥川が好きなわけではないのですが、この作品は、最初に「変なタイトル…」と思って以前から気になっており、読んでみたら思いのほか胸をつかまれてしまったので、みんなにおすすめしています。

あぁ…となりたい人におすすめ。(意味深)

同じく芥川短編の『羅生門』と迷いましたが、こっちのほうが認知度低そうなので「あばばばば」を選びました。

羅生門も、もちろん青空文庫で読めますよ!

青空文庫:芥川龍之介『あばばばば

中島敦『山月記』

中学校か高校の時に教科書でやった!という人も多いはず。

正直これがどうして文学的にすごく重要なのかよくわかっていないのですが、「その声は、我が友、李徴子ではないか?」のセリフだけが独り歩きして有名な感じがありますよね。

そういえばこのセリフはわかるけど、どんな話だったかよく覚えてないな~と思った方、チャンスです。

この作品、学生時代の甘酸っぱい青春の記憶を呼び覚ましてくれるだけでなく、大人になってから読むと、やや違ったものが見えるかもしれません。

文体が読みにくいので、漢文っぽい文章が苦手な方はもしかしたらしんどいかもしれません。

青空文庫:中島敦『山月記

夢野久作『瓶詰地獄』

読むと発狂する」というヤバすぎるキャッチコピーの『ドグラ・マグラ』の作者、夢野久作の短編『瓶詰地獄』です。

ちなみにドグラ・マグラも読了しましたが、発狂しませんでした。今のところ。

ホラーが苦手な筆者は『ドグラ・マグラ』結構トラウマなんですが、この『瓶詰地獄』のなんとも言えない気味の悪さ、嫌いじゃないかも…と思えたあなた、ぜひ『ドグラ・マグラ』にも挑戦してみてください。

この作品は、無人島に漂着した兄妹が聖書といろんな道具を駆使してなんとか生き残り、助けに来た船を見て手紙を書いているシーンから、時系列をさかのぼる形で描写が進みます。

「え?」といういきなりの展開に好奇心を鷲掴みにされ、あれよあれよという間に夢野作品のペースに飲まれます。

サクッと短いので、ちょっとした時間でも一気に読めちゃいます。

青空文庫:夢野久作『瓶詰地獄

まとめ:文豪の作品がサクッと読めちゃう!

今回ご紹介した作品は、すべて短編小説です。

歯磨きしながら、寝る前に、そんなちょっとした時間でも結構さらっと読めてしまうので、時間を持て余している人はぜひ気になった作品に触れてみてくださいね!

(本当に主観で選んだので好みの偏りが大きくてすいません!)

以上、無料で読める青空文庫おすすめ作品10選でした!

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