2020年4月2日現在。在住者がコロナで封鎖中のスペインの現状をリポート

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日記
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はな

2019~2021年までスペインで語学留学。2021年秋からはイタリアで美術史修士課程。スペイン語 Dele C1, 英語 IELTS 6.5。社会人留学、語学学習ときどき旅行についてまとめています。趣味は美術館・教会巡り、ポストカード・古紙幣収集。

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イタリアをはじめとしたヨーロッパ全土では、新型コロナウイルスの広まりを受け、様々な対策が講じられています。

現地に家族や友達がいる…
スペインへの旅行を予定していている…

など、スペインの様子が気になっている人もいるかもしれないと思い、2020年4月2日時点の現地の様子をまとめました。

最新版はこちら。

ちなみにこのようなレポートを書くのは二回目で、前回は2020年3月20日でしたので、その時の様子を知りたい方はこちらからどうぞ。

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スペイン国内でのコロナ陽性者10万人越え

まず、4月2日時点でのスペインでの新型コロナウィルスの感染状況についてです。

▲報告件数の増加状況

陽性者数 110.238人
死亡者数 10.003人
回復者数 26.743人

2020年4月2日スペイン時間13:30現在
引用元:“Situación de COVID-19 en España”,Gobierno de España

ついに11万人にまで感染が拡大してしまいました。

正直全然現実味のない数字です。

スペインは、国土は広いものの、日本ほど人口の多い国ではありません。

スペイン全体で4,600万人程度(つまり日本の3分の1くらい)なので、この11万人という数字がどれほどすさまじいものか、想像していただけると思います。

人口の0.23%以上、つまり、400人に一人が陽性者ということになります。

都内の中学校や高校に例えるなら、学校に1~2人はコロナ陽性が診断されている、という状況なのです。

身近な人のコロナ感染も

ヨーロッパでは、ここまで感染が拡大しているために、「知人や家族が感染した」という話も、残念ながらよく耳にします。

筆者の同居人は、叔父がフランスでコロナに感染し亡くなり、濃厚接触者である祖父母への感染が心配…と泣いていました。

日本ではまだまだ感染が広まっていないこともあり、「自分は大丈夫」と感じる人が多いようですが、少なくともスペインではもうその感覚はなくなってしまいました。

コロナによる外出禁止令延長へ

とはいえ、こんなに緊迫した状況になってしまったのは、本当にあっという間だったのです。

「自分は大丈夫」「若い人は重症化しないから大丈夫」という感覚でのんびりしていたスペインが、現在は、ここまで深刻な事態になってしまいました。

当初スペイン政府が「緊急事態宣言」を出したのが3月14日、そして「外出禁止(ロックダウン)」が開始されたのは3月16日のことでした。

つまり、今日で外出禁止になってから18日が経過したことになります。

当初スペイン政府は、「2週間の外出禁止」として対策を発表しましたが、その後さらに2週間延長され、現状4月12日までとなっています。

残り10日間でロックダウンが解かれる予定ということです。

しかし筆者の個人的な感覚としては、陽性者数が増え続けている以上、また外出を許可するのは少々不安に感じています。

知人のスペイン人や日本人在住者の方々は、ロックダウン期間はまた延長されるだろう、と考えている人も多いようです。

本来なら汗ばむほどの季節が始まっているバレンシアでも、ここのところ天気が悪く、寒い日が続いています。

幸いなことに、今のところインフラに不安はなく、電気、ガス、水道、ネットすべて順調に供給されています。

全てが「当たり前」でなくなった今、暖房が使えて、料理ができて、シャワーが浴びられて、暖かい布団で眠れる毎日に幸せを感じています。

当面スペインへの旅行はほぼ不可能

3月後半に入って、日本政府から「海外旅行の自粛要請」が出ました。

ヨーロッパの状況を見ていると、「当然」という気持ちと「遅いよ!」という気持ちでした。

すでにこちらに住んでいて、家がある人や長期ビザがある人はまだしも、そうでない人は、渡航は絶対にやめた方がいいです。

筆者はこのブログを留学・旅ブログとして経営しているので、本来ならば多くの人にスペインやヨーロッパの国に来てほしい!と思っている立場の人間です。

しかし、現状ではスペインを含むヨーロッパ、いや、日本国外のどの国であっても、旅行に行くのに適した時期では全くありません。

欧州から日本行きの飛行機はほぼキャンセルされています

単純に感染のリスクがあるから言っているわけではなく、来ても何もできません。無事に現地に着いても、たぶん帰れません。

じゃあいつ頃からなら旅行できるようになるのか?と聞かれれば、まったく見当がつきませんが、いつか楽しく旅行をするためにも、状況が落ち着くまで待つことを強くおすすめします。

スペイン経済への打撃と物流状況

SNSで、イタリアやスペインでは経済がストップした影響で失業者が増え、街のスーパーを襲う暴徒と化しているという日本人の発言を見ました。

現状、筆者がキャッチできる情報の中には、そのようなものはありませんでした。

念のためスペイン語と英語で情報を調べてみましたが、特にそのような記事は見当たりませんでした。(イタリア南部で、転売目的でマスクを大量に盗んだ人がいたというニュースはヒットしましたが…)

少なくとも筆者が住んでいるスペイン第三の都市バレンシアでは、みんな落ち着いて、自宅での生活を送っているように見えます。

もっとも、経済がストップしてからまだ2週間ちょっとなので、本当の意味でレイオフされた人々が貧窮するのはもう少し先のことになるのかなとも思いました。(スペインでは雇用主都合のレイオフの後は数か月間の給与手当てがもらえます)

物流は、相変わらず「通常通り」とはいかないものの、待てば手に入るという状況です。

スペインの大型スーパー、メルカドーナでは相変わらず欠品が続いていますが、個人商店では青果、精肉ともに潤沢に揃っています。

ちなみに筆者は昨日、近所の小さなスーパーに行ったら、幻の「アルコール消毒ジェル」を見つけることができました。ラッキーでした。

スペインにいる日本人の対応

スペイン在住の日本人は、「緊急事態宣言」後の一週間の間に帰国を選択される方が多かったようですが、そこを過ぎてスペインにとどまった人は、反対に「落ち着くまでここで様子を見た方が安全」と感じている人が多いような気がします。

直行便がクローズされた今、日本へ帰るためには複数の空港を経由することになりますし、そうでなくでも不特定多数の人行き交う場所に行くのはリスクが高いです。

さらには、日本に入国してからの自主隔離についても自費でホテル滞在となると、費用もかかります。(もちろんフライトも直前なので高額)

他にも、海外からの帰国者への風当たりが強いということも、ニュースなどから感じられます。

まとめ

日本からこの記事を読んでいる方がもしいれば、筆者伝えたいのは以下の三点です。

①海外旅行を計画している人が万が一いれば、絶対にやめたほうがいいと思います。

②スペインやイタリアで暴動が起きている、という事実は今のところ確認できていません。少なくともスペインではないです。

③対岸の火事と思わず、外出を控え、できる限りの対策をして下さい。

「スペイン大丈夫?」と聞かれることが増えましたが、日本のことも同じくらい心配です。

このまま感染が爆発的に広まることがないよう、スペインのように、国民の400人に一人が感染者なんて事態にならないよう引き続き対策を心掛けていただければと思います。

筆者はなにもできることはありませんが、日本が無事にこの局面を乗り切れるよう、どうか、お願いします。

以上、2020年4月2日現在、スペインにおけるコロナの現状レポートでした。

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