新型コロナウイルスに厳しい外出禁止が指示されていたスペインですが、ここ数週間でかなり状況が改善されました。
5月31日には、スペイン国内における新型コロナウイルスによる死者が0名となり、街にも以前に比べて活気が戻ってきました。
今回の記事は、現在スペインのバレンシアに住んでいる筆者が街の状況や今感じていることを日記のような形でまとめたものです。
ちなみに初回は2020年3月20日、次が4月2日、4月20日、5月12日にも同じような記録を残しているので、今回は5度目の記録ということになります。
6月2日スペインのコロナ感染者情報
スペインにおける感染者の現状は、以下の通りです。
陽性者数 287.012人
死亡者数 27.127人
回復者数 150.376人
2020年6月2日スペイン時間19:28現在
引用元:“Situación de COVID-19 en España”,Gobierno de España
コロナによる国内死者ゼロ
2020年5月31日には、スペインで感染が拡大してから初めて、国内の新型コロナウイルスによる死者が0名になりました。
もちろん、ウイルスがなくなったわけではなく感染者は0になっていないので油断はできません。
それでもかなりホッとしました。
今回の外出禁止解禁についても、「ベッドの空きができただけ」との注意喚起がありましたが、本当にその通りでまだまだ緊張感を持って過ごす必要があります。
バレンシアは現在フェーズ2
スペインでは、フェーズ制度によって段階的に制限が解除されています。
簡単に説明すると、以下のような形です。
フェーズ0:朝夜の散歩のみ可能
フェーズ1:10人以下の会合、飲食店のテラス席の一部が解放
フェーズ2:飲食店の屋内営業(人数制限付き)、幼児教育機関再開
フェーズ3:飲食店通常営業開始(キャパシティは1/3まで
私の住んでいる街バレンシアは、昨日からフェーズ2に入りました。
2020年6月2日現在、バルセロナを含むカタルーニャ州の一部地域とマドリード州などを除き、スペインの多くの街がフェーズ2・3に移行しています。
最も警戒態勢が厳しかった4月では、食料品の買い物以外の外出ができず、息が詰まる思いでした。
それに比べると、現在は好きなときに外に出られるし友達とも会えるので、本当に毎日が楽しいです。
「普通」の素晴らしさを強く感じます…!
フェーズ2に移行したことで最も大きな変化は、ズバリ、バルの店内席を利用できるようになったこと!
フェーズ1からはテラス席もOKでしたが、テラス席のないバルやレストランは営業ができない状況でした。
お気に入りのバルに友達と行くことができ、感無量でした。
マスクの着用が義務
スペインでは、街を歩く際はマスクの着用が義務づけられています。(バルなどでの飲食時はOK)
一部では、マスクを着けていないことを理由に公共交通機関の乗車を拒否された人もいるようです。
欧州に旅行に来たことがある人はわかるかもしれませんが、こちらの人は、マスク文化がありません。
筆者は日本に住んでいた頃、毎日のようにマスクをしていたので全く違和感がありませんが、スペイン人にはこれがかなりストレスのようで…
つけ方を間違えている人がとにかく多いです。
鼻がマスクから出ている人。
声が聞こえにくくてついマスクを外して話す人。
暑いからという理由でおでこにマスクを乗せる人。
もう、本当に、きちんとマスクして!!
こんな感じですが、だいたいの人はマスクをきちんとつけていて、ディスタンスを取ることを意識して生活していることを実感します。
店内に入るには消毒!
お店はほとんどが再開し始めたものの、まだまだ慎重に営業しているところも多いです。
例えば、店内の入店人数に制限を設けていたり、入り口に消毒液を設置しているところも多いです。
スペインの大手スーパーマーケット、メルカドーナでは、入り口で手指の消毒をした上でビニール手袋の装着が義務づけられています。
一見面倒なシステムにも感じますが、ここまでしていれば大丈夫だろう、という感じがあって、購買者としては安心できます。
もちろん、買った野菜はよく洗ってから食べます!
長期・短期滞在者ビザ自動延長
私事ですが、実は筆者はコロナの外出禁止に病み、さらには滞在ビザの更新ができない不安から、日本に帰ろうとしたことがあります。(5月中旬)
しかし、2回も飛行機がキャンセルされたために実現せず…
そうこうしているうちに、スペイン政府から「長期滞在ビザ」と「短期滞在ビザ」の自動延長の発表がありました。
「警戒事態」が有効の間,又は「警戒事態」発効日(3月14日)の90日前以降に失効したEU市民の家族の身分証明カード及び長期滞在外国人用の身分証明カードは,その失効の翌日から自動的に延長され,当該延長は,「警戒事態」の終了後6ヶ月が経過するまで継続する。
90日以内の滞在期間でスペインに滞在する者で,「警戒事態」が有効の間に当該滞在期間が終了した場合は,滞在期間は自動的に3ヶ月間延長される。当該自動延長は,スペイン国内のみで有効とする。当該延長の期間は,将来の最大滞在期間の付与の際に考慮される。
在バルセロナ日本国総領事館より(詳しくはこちら(スペイン語))
筆者はちょうどこの条件に該当するので、警戒態勢が解除されてから6か月間の滞在が可能ということになりました。
今となっては、ビザの問題で慌てて帰国しなくて本当に良かったです…
7月には観光客受け入れも?
スペイン政府は、7月から観光客の受け入れを開始することを発表しました。
旅行好きな人には嬉しいお知らせ!
ですが、この決定をあまりよく思っていない人も多いようです。
現状、州をまたいでの移動が禁止されているスペインでは、ここまで封じ込めに一生懸命取り組んできたのに、そんなに急いで観光客を受け入れて大丈夫なのか?という感じです。
観光によって経済の支えられているスペインでは、夏のハイシーズンのビジネスチャンスを逃したくないというのが本音だと思います。
しかし街の雰囲気を見る限り、どう考えても普通に観光ができる感じではないと思います。
さらに、欧州でも被害の大きかったスペインにわざわざ観光に来たい!という人が一体どれくらいいるんだろう…というのも、正直な感想です。
街の人々の様子
街の人々は、筆者が予想していたよりもかなり真剣にウイルス対策を行っています。
日頃の生活の雰囲気からすると、国民性から「3密を避ける」などの対策が難しいのかなとも思っていましたが、みんな意識高く行動しているように見えます。
ハグや挨拶にキスをするのが当然の文化なので…
挨拶は握手を含む接触を避けるため、肘をぶつけあったり、足をぶつけあったりしています。
消毒液を持ち歩き、ことあるごとに手に塗り込んでいる人もよく見かけます。
このままの衛生感覚でしばらく過ごせれば、新型ウイルスの本当の意味でも封じ込めができるのではないかと思います。
まとめ:希望の光が見えてきた!
2か月間もの閉鎖的な生活を経て、やっと希望の光が見えてきた感じです。
楽しい夏の計画を立てたり、週末に飲みにでかけたり、少しずつ日常が戻ってきています。
ただし、警戒すべき点はきちんと気を引きしめて行動するのが大切なので、マスク着用、3密回避、アルコール消毒、手洗いうがいなど、基本的なことを守って過ごしていきたいです。
以上、2020年6月2日時点のスペイン新型コロナウイルスの現状でした。
これまでの記録はこちらからどうぞ。
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