今から勉強する意味ある?
会社辞めてそのあとどうするの?
社会人留学をしたいと思っても、そんなネガティブな意見を耳にする人も多いのではないでしょうか。
学生時代なら、周囲に留学をしている人も多く、学生課などでも情報が集めやすいため、留学への精神的ハードルは低かったはず。
今回の記事では、実際に社会人4年目、26歳で会社を辞めて社会人留学に踏み切った私が、語学留学一年間の経験を通して感じたメリットとデメリットを、包み隠さずご紹介していきたいと思います!
結論:本当に留学してよかった
まず結論から。
私の場合、「本当に留学してよかった」と感じています。
もちろんよかったことだけではなく、失ったものもあります。
「学生時代に来ていれば…」と思うことも、ないわけではありません。
でもやっぱり、自分のお金で、自分の力で留学に来て本当に良かったし、なにより一度社会を見てから留学をしたことで、学生の留学の方とは違った視点で生活できたかな、と思っています。
なにより、周囲の人の意見に惑わされる必要は全くないです。
会社に残って過ごしていても、正直毎日が楽しくなかったし、結局は誰も私の人生の責任を持ってくれるわけではないのです。
では早速、私が感じたメリットについてご紹介していきます!
社会人留学のメリット①:語学に必死になれる
これは正直人によるところも大きいですが…。
私の個人的な意見として、社会人で会社を辞めて語学留学に行く人は、そうじて「語学習得」へのモチベーションが高いです。
わざわざ安定した生活を捨ててまで、大金を(おそらく)自分で払って留学に来るわけですから、当然と言えば当然かもしれませんが!
大学生で留学に来ている子たちの中には、「遊学」という感じで、学校にもほとんど行かず、毎日日本人でつるんでお酒を飲み歩いている人たちを残念ながら数人見かけました。
もちろん大学生でも目的意識のある人はたくさんいます!
その子たちを見ながら、「親にお金を出してもらって遊んでいていいのかな…」という気持ちと同時に「私も学生時代に来ていたら、きっと遊び歩いていただろうな…」とも思いました。
自分で色んなものを捨てて語学習得に来ている社会人留学だからこそ、熱意を持って勉強に取り組むことができるのかなと思いました。
社会人留学のメリット②:選択肢が広い
大学生で留学をするとなると、多くの場合が大学の学生課経由になることが多いと思います。
また、親御さんの意見も少なからず反映されると思うので、行きたいエリアや行きたい期間に行けない可能性もあります。
休学の手続きなどを考慮すると、半年、もしくは一年など、決められた範囲での留学になると思います。
それでも大学生で留学を行動に移せる子はすごい!と思います
しかし、社会人の場合、休職でない限り可能性は無限大です!
好きなときに出発し、好きな場所へ行き、好きな期間滞在することができます。
自分が本当にやりたいことを吟味し、行先を選ぶ時間は、本当にわくわくして楽しいです!
社会人留学のメリット③:自由度が高い
先ほどの選択肢の話とも重なりますが、社会人留学は自分で全てを決定できるため、とにかく自由度が高いです。
例えば、私は2018年12月に退職し、2019年2月から一年間の予定でスペインに語学留学に来ましたが、その後半年の留学延長を決めました。
留学に行く前は、「一年だけスペインで楽しく過ごして、スペイン語をそこそこ身に着けて、日本で転職活動しよう」なんて思っていましたが…
今は、スペインで大学院に進学することを視野に入れて、準備を進めています(笑)
留学前の私はそんなこと一切想像していませんでした。
スペイン生活の中で様々な価値観に触れながら、自分の将来の選択肢を自由に広げられたのは、社会人留学だったからだと思います。
さらに、30歳以下であれば、留学にこだわらずとも目的に合わせてワーホリという選択肢もあります。
大学生だと、どうしても「まずは卒業」「就活」「資金」など、様々な問題があるのでここまで自由に進路変更は難しいのではないかなぁと思いました。
社会人留学のメリット④:必要なものがわかる
これも意外と重要なポイントでした。
良くも悪くも一度社会に出ていると、自分が何を大切にして生きていきたいのかがぼんやりわかってきますよね。
どんな仕事をしたいのか、どんな人生を歩みたいのか…
就職前の自分が留学に来ていたら、結局は「日本でどういう会社に就職するか」という観点でしか、物事を考えられなかったと思います。
しかし一度社会に出て「仕事ってこんなものか」と思いながら海外で生活してみると、世の中にはたくさんの選択肢が存在していることに気が付きます。
「日本で働くこと」にこだわる必要はないんだ、仕事って会社に所属するだけじゃないんだ
そんな風に新しい視点を獲得できたのは、ある意味一度スタンダードな道を通過してきたおかげだと思っています。
結果的に私は現在、オンラインでライターの仕事をしつつスペインで学生を続けることになりました。
社会人留学のメリット⑤:人生を変えられる
大袈裟かもしれませんが、私はこのスペイン留学で本当に人生変わりました。
正直前職についていた頃は、仕事に楽しさはあったものの、激務薄給に男女差別と、自分をげんなりさせる要素が非常に多く、「人生が楽しい」とは言えない状況でした。
なんとかこの状況を変えたい…
と思っていましたが、「普通に転職しても結局同じような人生になるのでは?」と思い、思い切って以前からの夢でもあった留学に踏み切りました。
スペインのお国柄の影響かもしれませんが、生活がのんびりしていて、のびのびとした人生が手に入り、あの頃の鬱々とした気持ちが嘘のように毎日目覚めるのが楽しみです。
留学2ヶ月目の頃に知り合ったウクライナ人の友達に「ずっとスペインにいたいなぁ」と言ったとき、「不可能なんてないよ!望めばなんでもできるよ」と言ってもらったことがありました。
いやいや、それができるのは特別なスキルや才能がある人だけだよ…
と思いましたが、実際私は仕事を始め、滞在を延長するに至っています。
ここまでたくましく生きていく力は、もやもやを抱えたまま会社員を続けていたとしたら、得られなかったと思います。
社会人留学のデメリット①:遊ぶ体力がない
では続いてデメリットについてです。
もしかしたらこれは私だけの問題かもしれませんが…遊ぶ体力がありません。(笑)
夜はすぐ眠くなります。
大学生の頃は、平気で徹夜で飲んでいたような気がするのですが、27歳を迎えた最近は深夜2時が限界です。
語学学校に来る友達は大学生や10代の若い子ばかりなので、「クラブに行こうよ!」と誘われることもしょっちゅうですが、眠くて眠くて耐えられなくなるのがわかっているので、毎回断っています。
スペインでは(他の国でもそうなのか?)、「遊び=飲みorクラブ」なことが多いので、結果的に同じような年齢層の落ち着いた友達とばかり遊ぶようになりました。
社会人留学のデメリット②:キャリアが途絶える
これは社会人留学する人が一番気にする点だと思います。
外資系でない限り、日本の会社でのキャリアは社内での積み上げ式になるので、一度その会社を退社すると、次の会社ではまた一から積み上げ直し…なんて可能性もあります。
特に仕事が楽しくやりがいを感じている場合、留学とキャリアを天秤にかける人は多いはずです。
私もここが一番悩んだ部分でした。
SNSで同年代の人たちが仕事で成功する姿を見ると、自分はキャリアを捨ててまでここに来て本当に正しかったのだろうかと、ふと思うこともあります。
とはいえ、そんな焦りの感情が、勉強のモチベーションになるときもあります。
人は人!私は私!私の成功は私が決める!
「周囲が仕事を積み上げている間、私はなにもしていない…」と闇雲に焦るよりは、自分の成長につながる行動を起こして、自分の人生を充実させることにエネルギーを使うようにしています。
不安を払拭するくらい成長すればいいだけのこと!と、今は思っています。
社会人留学のデメリット③:会社を辞めるのが大変
Twitter上で社会人留学を決めた人々がよく口にするのが、意外とこれです。
「会社辞めるって上司に言うの緊張する」
「周りに迷惑をかけてしまう…」
責任感の強い人ほど、そう思ってしまうともいます。
私も退職を希望した際に、上司から強く引き止められました。
上司としては、部下が退社すれば評価に響くし、仕事に穴が開くし、当然ですよね。
でも、それだけです。上司はあなたの人生を豊かにはしてくれません。
その後、仕事の引継ぎやら、事務手続きやらなにかと忙しく過ごしましたが、会社を辞めるだけでこんなに面倒なことがたくさんあるのかと驚きました。
社会人留学のデメリット④:税金の処理が面倒
大学生とは異なり、社会人から留学をすると前年度の収入があったことにより、税金の処理が面倒になる可能性があります。
特に住民票を抜かずに留学される方は、要注意です!
「住民票を抜く=海外転出届を出す」です。
給与から半年分の税金が一気に引かれたり、住民税を一気に請求されたりなど、これまで会社が自動的にやってくれていたことがイレギュラーに降りかかります。
私は退職の際に人事部との面談があり、細かく説明をしてもらうことができたので、日本にいる母に助けてもらいながら納税などを行って何とか過ごしました。
退職前に、人事部に税金関連の相談をしておくのがおすすめです。
社会人留学のデメリット⑤:目的意識が必要
留学を検討されている中には、会社が肌に合わない、社会人生活がつらい、などのネガティブな理由から海外に出たいと考えている人も、少なからずいると思います。
その気持ち、よくわかります。
でも、そういう人にありがちなのが「逃げの留学」になってしまうこと。
「留学して語学を学びたい!」というよりは、「現状が辛いから海外に行きたい!」というモチベーションで留学に踏み切ってしまうのは、少し危険です。
「なにを目的に留学をするのか」を明確にしておかないと、留学の最中に自分を見失い、自信を失ってしまう可能性があります。
語学習得を目的とする人は、明確な目標レベルを決めておくと留学中のモチベーションになりやすいです。
ただし、個人的には、目的は「一年間暖かい国でのんびりする」でもいいと思うのです。
留学中に、人生について真剣に考えるタイミングが必ずどこかでやってきます。(いい意味で)
そのときに目的意識が定まっていないと、「あれ、私なにしにここに来たんだろう」と落ち込んでしまう可能性があります。
そこで、「語学習得したい」「美味しいものを食べたい」「世界中の人と知り合いたい」など、当初の目的を思い出せれば、おのずと何が必要になるかが見えてきますよね。
せっかく自分の人生をよりよくしたいと思って踏み切った留学生活で、自分に自信をなくしてしまっては元も子もありません。
何が今の自分に必要なのかを常に見失わないためにも、目的意識をもって留学に臨むことをおすすめします!
まとめ:目的意識さえあれば、可能性は無限大!
冒頭でも述べた通り、私はこれらのデメリットを加味しても、留学に踏み切ってよかったと本当に思っています。
私の場合、「国際的なビジネスに携わりたい」という漠然とした夢があり、英語の他にスペイン語を習得したいと思ったのが社会人留学のきっかけでした。
留学終了後は日本で、海外事業に強い会社への転職を想定して留学を開始しました。
結果、スペインでいろんなひとの価値観に触れるうちに「それって日本じゃなくてもできるよね?」ということに気づき、予定を変更し留学を延長しています。
これは過激な例かもしれませんが、どんな目的をもって留学をするのかということが明確になっていれば、どのような選択肢も選べるのが社会人留学の良い所です。
お金がなくなれば働くもよし、他のものに興味を持てば方向性を変えるもよし。
留学がすべての人にとっての正解!というわけではありませんが、ぜひこれらのメリット、デメリットを考慮して判断してみてください。
以上、社会人留学のメリット、デメリットでした。
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