スペインに住んでみたい!
と考えている人にとって、どのような方法で現地に長期滞在するかという問題は、非常に重要ですよね。
そこで今回は、実際に現地に滞在してみて感じた、ワーホリビザと学生ビザ、それぞれの特徴と違いについてご紹介していきます。
どっちがいいの?は「人による」
何を当たり前なことを・・・と思われた方、すいません。
でも、実際、本当にそうなのです。
「人による」というよりは「目的による」という表現の方が正しいかもしれません。
ざっくり言うと、「自由度」を求める人はワーホリ、「スペイン語習得」を目指す人は学生ビザが向いているのではないかなと思います。
ちなみに私は現在、「学生ビザ」でスペインのバレンシアという街に滞在しています。
なお今回は、大学進学などではなく、スペインで語学学校へ通う人に向けた「学生ビザ」を指すこととします。
スペインの学生ビザの申請方法と注意点について詳しく知りたい方は、こちらへどうぞ。
スペイン ワーホリビザvs学生ビザ①:経済面
現地での収入、ビザ申請の経済面でのハードルの高さなどの面から、ここはワーホリビザの方が有利です。
詳しくご説明します。
■ビザ申請時
通常、スペインへの長期滞在(観光ビザ範囲外・3ヶ月以上)を申請する際に、滞在に十分な経済力を有していることを証明する必要があります。
ワーホリビザの場合、「最低でも最初の3カ月滞在費分の 1614 ユーロ相当額以上のスペインでの滞在費を支弁する能力を証するもの」が要求されているのに対し、
学生ビザは「日本からの往復の経費と月額537.84ユーロ相当額以上(宿泊費も含まれ る)のスペインでの滞在費を支弁する能力を証する(中略)…これらの経済能力には、申請前に支払った費用や、留学のために申請後に支払う費用は含まない。」と記されています。
なにが言いたいかというと、ワーホリビザは現地で収入を得ることができる前提なので、渡航に際する経済力証明が1614ユーロ(約20万円)でいいのに対し、学生ビザは滞在期間分お金+航空券代の経済証明が必要になるのです。
一年間の滞在を予定している場合は、合計約100万円(537.84ユーロ(約7万円)×12ヶ月=84万円と、往復航空券=20万円程度)の経済証明が必要になることになります。
■現地での仕事
ワーホリビザは仕事をするためのビザでもあるので、良い仕事が見つかれば現地で契約して働き始めることができます。
学生ビザも、週に20時間までであれば就労可能です。
しかし、学生ビザでの滞在をしている外国人を正規で雇用する際には、法的な手続きが必要なこともあり、労働時間が短いだけでなく、仕事が限定されてしまう可能性はあります。
■学費
学生ビザは、「学生として学校に通っていること」が滞在の条件になるので、当然滞在日数の分だけ学校の授業料を払う必要があります。
対して、ワーホリビザの場合、最初の三ヶ月だけ語学学校に通って残りは仕事を探すことも可能なので、単純に学費が安く済む可能性が高いです。(学校に全く通わないという選択肢ももちろんあります。)
スペイン・バレンシアでのリアルなひと月の生活費について詳しく知りたい方は、こちらへどうぞ。
スペイン ワーホリビザvs学生ビザ②:申請難易度
私は学生ビザの申請しかしたことがありませんが、スペイン大使館HPの申請書類を見比べてみると、ワーホリビザは条件や必要書類が少ないと実感します。
先ほど触れた経済証明に関してもそうでしたが、学生ビザの方が、必須項目が多く、学校からの証明なども必要になります。
また、学生ビザでは証明書必須であるにも関わらず、ワーホリビザでは海外旅行保険への加入は申請の条件には入っていないようです。(入った方がいいとは思います!)
スペイン ワーホリビザvs学生ビザ③:移動・旅行
せっかくスペインに住むのだから、いろんな場所に行ってみたい!と考えている人は多いはず。
そんな人には、移動の自由度の高いワーホリビザがおすすめです。
2ヶ月ずつ違う街に住む!なんてことも、ワーホリビザならできちゃいます。
それだけではなく、スペインはシェンゲン協定に加盟しているので、EU内の加盟国であれば、パスポートとスペインのIDで長期間旅行することも可能です。
もちろん学生ビザも旅行することはできますし、国内にたくさんの校舎のある大手語学学校では、一年のコースで他の街へ移動することもできるようです。
しかし学生ビザの場合、学校に通っていることが大前提になるので、移動できる範囲・時間は制限されてしまいます。
スペイン ワーホリビザvs学生ビザ④:語学力
語学力の伸びに関しても、かなりその人の努力や過ごし方によるので、一概には言えませんが、みっちり基礎から勉強したい!と考えている人にとっては、学生ビザをおすすめします。
私は基礎文法を少しかじった状態で渡航しましたが、語学学校3ヶ月目の時点では、基本的な日常会話レベル(A2)でした。
そこから10ヶ月、週20時間の語学学校に通った結果、DELEのB2に合格することができました。
ビジネスで使えるレベル、大学進学レベルの語学力(B2・C1)を目指すのであれば、語学学校に半年~1年通って基礎から固めるのがいいと思います。
スペイン ワーホリビザvs学生ビザ⑤:年齢制限
ワーホリを検討している人にとって重要なポイントの一つが「年齢」です。
ワーホリビザを申請するためには、「ワーキング・ホリデー査証申請時の年齢が十八歳以上、三十歳以下であること」という条件があります。
対して、学生ビザには特に年齢制限はなく、思い立ったときに学生として渡航することが可能です。
スペイン ワーホリビザvs学生ビザ⑥:滞在期間
スペインでのワーホリビザは最長で1年なので、それよりも長く滞在したいという方には、学生ビザがおすすめです。
学生ビザは、学校の授業を受けている間であれば、基本的にいつまでも更新することが可能です。
なるべく長く滞在したい!という方は、初めの数か月~1年間を学生ビザで過ごし、語学力を身に着けてからワーホリビザに切り替えるという方法もあります。
ワーホリビザは、一か国につき一度しか使えないので、使うタイミングも重要です。
ワーホリがおすすめなのはこんな人
以上の条件を踏まえて考えると、ワーホリがおすすめの人は下記のような目的の人だと言えます。
・とりあえずスペインに住んでみたい
・スペインで仕事がしてみたい
・いろんな街に住んでみたい
・やりたいことが明確(サッカー観戦など)
・インターンで経験を積みたい
・一年かけてEUを旅行したい
学生ビザがおすすめなのはこんな人
・17歳以下、もしくは30歳以上
・ビジネス・アカデミックレベルの語学力を身に着けたい
・学びたいことが明確
・一都市で交友関係を築きたい
・1年以上滞在したい
・大学進学を目指している
結論:目的に合わせてビザを選ぶべし
このように、ワーホリビザと学生ビザは、一概にどっちがいいと言えるわけではなく、個人の滞在の目的に合わせて選ぶことが重要と言えます。
この判断を誤ると、せっかくの長期滞在なのに、実際にやりたかったことが制限されてできなかったり、時間を無駄にしてしまったりする可能性もあるので、条件を考慮して判断するのがおすすめです。
少しでもワーホリと学生ビザで悩んでいる方の参考になればと思います!
以上、スペインでのワーホリビザと学生ビザの特徴と違いの解説でした。
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