スペイン語学習している人にとっての最初の関門、それは動詞の活用ではないでしょうか。
筆者もスペイン語を初めて勉強し始めたとき、あまりの活用の多さに驚き、「なんでこんなにたくさんあるの…」と目が回りました。
しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れるもので、DELE C1を取得した今では動詞の活用に頭を抱えることはなくなりました。
この記事では、スペイン語を学習している初心者~中級者の方に向けて、おびただしい数の動詞の活用とどう向き合えばいいのかを個人的な5つのアドバイスとして紹介していきます!
活用は耳で覚える方が楽
まずスペイン語の活用について言えることは、文字情報で覚えるよりも音で覚えた方が格段に楽ということです!
少なくとも筆者の場合はそうでした!
筆者はスペイン留学を決めて渡航する前、数か月間日本でスペイン語の動詞活用表を見て勉強をしていました。
そのとき、動詞の活用がなかなか覚えられずにかなり悪戦苦闘していた記憶があります。
現在形でこんなにたくさんの活用があるなんて、全部覚えるの一生無理じゃん…
とガチで思っていました。
しかし、不思議なことにスペインに来てたった1~2週間で、耳が自然と慣れてきたことに気づきました。
意味わからん!と思っていた動詞TENERの活用も、気づけば自然とtengo~、tienes~と使い分けができるようになっていました。
法則性がなく見える不規則動詞は「暗記するしかない…」と思いがちですが、目で文字を追い続けるのではなく、とにかくたくさん聞きまくることで、音と意味が直接結びついてすんなり頭に入りました。
そのため、活用表とにらめっこして暗記に徹するよりは、実際に使われているシーンと合わせて理解することが活用習得への近道だと思います。
参考書についているCD音源を聞きこんだり、子供向けのYoutube チャンネルを観たりするのもおすすめです!
よく使う活用から覚える
もう一つ重要なことは、「よく使う活用から覚える」ということです。
新しいスペイン語の動詞の活用を覚えるとき、活用表を見ますよね。
yo, tú, el/ella, nosotros, vosotros, ellos/ellas…
全部一度に覚えようと思っても、全然覚えられない!!
特に、最後に来るellos/ellasは、記憶の一番奥に入っているから取り出すまでに時間がかかる!
そんな経験をしている方もいるかもしれません。
そこでズボラな筆者がたどり着いた方法は、yo とel/ellaの活用だけとりあえず覚えるという方法です。
真面目な学習者の皆様は、少しだけ耳をふさいでいてください…
なぜこの二つなのかというと、現地で生活するにあたって自分のことを瞬時に話せないと困る場面が多かったのと、スペイン語という構造上、意外と三人称単数の活用の出番が多いということに気づいたためです。
現在形の活用は、多くの場合三人称単数にsをつければ二人称単数になるし、nをつければ三人称複数になりますし。へへへ
もちろん、もちろん、すべての活用が大切です。
日常生活の中ですべての活用を使用します。
しかし、正直vosotros の活用に比べればyo の活用は10倍以上使用機会があります。
そのため、一気に覚えるのが無理!という人は、まずは使用頻度の高い活用から確実に暗記していくことも有効かな~と思います!
点過去の活用を後回しにしない
ここまでは現在形の活用の話を中心にしてきましたが、スペイン語でB1以上を目指す人が最も苦労するのが「点過去」の活用です。
活用したあとの変わり具合が他の活用に比べると激しいので、読解問題などでも初見でなんだかわからないこともしばしば。
例えば、動詞「歩く」のandarの過去形はanduve, anduviste, anduvo, anduvimos, anduvisteis, anduvieronとなり、不規則活用です。
いきなりアンドゥビステイスなんて言われたらビックリしますよね。スペインに2年以上住んでいる筆者でも正直一瞬「ん?」ってなります。
でも安心してください(?)、この辺の活用は、ネイティブでも間違えています。
そんな難しすぎる点過去の活用ですが、苦手意識があって後回しにしてしまう人もいるのではないでしょうか。
過去形で話をする際に、現在完了、線過去を使ってなんとか乗り切ろうとしていませんか?
筆者はそうでした。すべてをhe ido~、he hecho~で片づけていました。
点過去の複雑さは嫌気がさすものですが、悲しいことに、実際の会話での使用頻度はかなり高いのです。
とくにあなたがラテンアメリカのスペイン語を学びたいと考えている場合、点過去は決して避けては通れません。(スペインのスペイン語でも避けれませんが(笑))
逆に言えば、点過去を上手に扱えるようになると、めちゃめちゃ楽になります。
言語習得の1つの指標にもなる「エピソードトーク」ですが、自分の体験談でネイティブを笑わせることができたら自信がつくと思いませんか?
思い出の話をするためには、過去形をスムーズに引き出す力が必要になります。
「点過去は難しいから…」と後回しにせず、最初から気合を入れて覚えると、のちのちの学習の幅が広がります!
接続法活用は意外と簡単
点過去もなんとなく覚えてきて、やっとスペイン語の活用を理解できはじめてきたぞ…!と思った時に現れるのが、接続法です。
接続法は用法も複雑ですが、それ以上に「また新しい活用を覚えるの…!?」という絶望感を感じますよね。
道のり長すぎでしょ…
でも、実際のところ、接続法の活用はそこまで難しくはありません。
ルールを正しく理解していれば、現在形であれば最後の音を少し変えればいいだけです。
接続法過去は活用ルールが独特なので、ここで必要になるのが「正しい点過去活用の理解」です。
直接法点過去三人称複数が覚えられていないと接続法過去を覚えるのは大変です。
ただし、ここでも先述した通り、個人的にはよく聞くものから自然に覚えていくのが一番良い方法だと思います。
Como si fuera… は、「あたかも~のように」という意味で使われますが、日常会話でも使用頻度が高いので接続法過去の活用があいまいでもfuera は自然と頭に入っていました。
なにがいいたいかと言うと、「接続法だ…また新しい活用をおぼえなきゃ…」と絶望する必要なないということです。
直接法の活用が頭に入っていれば、接続法の活用は結構簡単です!(用法は難しいです!)
活用を気にしすぎない
5つ目のアドバイスは元も子もありませんが、あまり活用ばかりを気にしすぎてはいけない、ということです。
スペイン語は主語を省略することのできる言語なので、活用のミスによる勘違いはかなり頻繁に起こります。
しかし、活用を気にしすぎて発言ができなかったり、正しく話すことにこだわりすぎて疲れてしまったりしては、勿体ない!!!です。
例えば、ラテンアメリカではvosotros の活用は使用されず、すべてellos/ellasの活用が適用されます。
¡Tienen que venir! ティエネン ケ ベニール
¡Tenéis que venir! テネイス ケ ベニール
上はラテンアメリカ、下はスペインで使われる言い方で、「あなたたちは来なければいけない」という同じ意味で使用されています。
また、スペインのアンダルシア地方では単語の末尾のsの音が欠落する傾向があるため、スペインでスペイン語学んだ筆者でさえ二人称単数なのか三人称単数なのか、咄嗟に理解ができないことがあります。
このように、スペイン語の活用には地域差があるため、学習者が最初から完璧な活用をしなければ!と自分を追い込む必要はないと個人的には思っています。
スペイン語の活用は膨大なので、完璧に習得してから話し始めることは不可能なのです。
実際に聞いてみて、使ってみて、とにかく耳からのインプットとアウトプット量を増やしていくことが何よりも大切だと筆者は思います。
活用表は、基本のルールを把握するためにだけ利用して、あとは生きた文章に触れながら覚えていくのが、結果的に一番早い方法のような気がします。
もちろんこれは筆者個人の意見です!
結論:習うより慣れろ!
というわけで、スペイン語の複雑な活用に上手に付き合っていくためのアドバイスは以下の通りになります。
・とにかく聞いて覚える。音からインプット!
・使用頻度で優先順位を決めて覚えていく
・点過去は意外と大事!逃げずに向き合う
・接続法の活用は簡単なのでまずは直接法を固める!
・間違えれば間違えただけ、活用を覚えられる!
総括すると、習うよりも慣れるのが活用を覚えるのには合っているという感じです。
冒頭にちらっと書きましたが、最初はあんなに苦しんでいたのがウソのように、今ではすらすらと点過去の活用が出てきます。(間違えることもめちゃくちゃありますが!!)
つまり、今は不可能に見えても続けていけばいつか絶対に習得できるものということです。
この記事がスペイン語の活用の多さに悩み苦しんでいる人の少しでも助けになればうれしいです。
以上、スペイン語の活用習得にための5つのアドバイスでした!
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