【筆記編】スペイン語試験DELE B2の特徴と、対策のコツを大公開!

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スペイン留学
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はな

2019~2021年までスペインで語学留学。2021年秋からはイタリアで美術史修士課程。スペイン語 Dele C1, 英語 IELTS 6.5。社会人留学、語学学習ときどき旅行についてまとめています。趣味は美術館・教会巡り、ポストカード・古紙幣収集。

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DELEはスペイン語の国際資格でありながら、日本でも受験者の多いTOEICや英検のように、試験に関する情報がゲットできないのが現状です。

特に「筆記ってどうやって勉強したらいいの!?」と思われる方も多いはず…

そこで、今回の記事では、2019月11月にDELE B2を受験した筆者が、個人的に感じたDELE試験の特徴とおすすめの対策方法を「読解編」「リスニング編」「筆記編」「面接編」の四つに分けてご紹介したいと思います!

今回は、「筆記編」です。
こんなに書いていいの!?ってくらい、注意点や対策方法を詳しく書きました。

目次の初めの「DELEについて」では、「読解編」「リスニング編」「面接編」でも同様の内容をここに記載していますので、それらのリンクから来たひとは、ここは飛ばし、次の項目から読み始めてください!

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DELEについて

まず初めに、DELEについて簡単にご紹介します。

DELEとは、スペイン語の国際資格のことで、一度取得すると資格が失効することがないという特徴を持っています。

レベルはヨーロッパ言語共通参照枠MCER(CEFR)に基づき、A1(入門)、A2(初級)、B1(中級)、B2(中上級)、C1(上級)、C2(最上級)の6段階に分かれています。

DELE B2(中上級)

今回ご紹介するのは、中上級に当たるB2というレベルについてです。

複雑な内容や抽象的なテーマ、スペイン語の多様性を認識し、既知の専門的内容を理解することができる。流暢かつ自然で、聞き手に困難を与えない会話能力を持ち、明瞭かつ詳細な文章を作成し、推論的分析、ディベートなどができるレベル。

引用元:Instituto Cervantes,『DELEスペイン語検定のレベル

仕事や大学進学を考えている方は、B2以上が求められる場面が多いので、スペイン語を使える」という一つの基準と考えられているようです。

合格の基準

DELE B2では、「読む」「書く」「聞く」「話す」の四技能のうち、「読む」と「書く」がペア、「聞く」と「話す」がペアになって評価がされます。

ざっくりいってしまえば、60%以上の点数がとれる必要があるのですが、構成が複雑なので、単純に合計点が60%以上ならOKというわけではありません。

それぞれ技能ごとに25点ずつの配点がされ、この二つのペアの合計点で30点以上をとる必要があるからです。

少しややこしいので筆者の実際の点数を例にすると、

読む14.58点/25点58.32%
書く17.29点/25点69.16%
聞く10.83点/25点43.32%
話す23.75点/25点95.00%
「読む」「書く」合計31.87点/50点63.74%
「聞く」「話す」合計34.58点/50点69.16%

それぞれの合計点が30点(60%)以上なのでAPTO(合格)という結果でした。

これを見てわかっていただけると思いますが、かなり力技で合格しています(笑)

リスニング半分以下って…

DELE全体の傾向として、リスニングは難解で得点が低くなりがちなので、オーラルでカバーするというのがセオリーとしてあるようです。(もちろん人によりますが)

とはいえここまで極端な数字が出るとは思いませんでした。

こんな風に「本当にそれで合格といえるのか?」という点数でも一応APTOをもらえることもあるのですが、どの項目も60%以上とれる準備」を目指す必要があるといえます。

筆記パートの構成

本題の「筆記」の対策についてご説明してきたいと思います。

四技能あるうちの読解のパートは「Expresión e Interacción escritas」と呼ばれています。

筆記パートは、Tarea1と2の二つから構成されており、試験にかかる合計時間は80分です。

Tarea2では、二つの選択肢から一つを選んで記述するという形式になっています。

Tarea1 企業や自治体などに手紙やメールを書く。
Tarea2 以下から一つを選んで作文。
選択肢① 示されたデータをもとにそれを分析、説明する問題
選択肢② 文章を読んでその内容について要約、説明する問題

重要ポイント

とにかく注意したいポイントは以下の通りです。

①指定文字数をだいたい守る(150~180 palabras)※
②枠の外には決してはみ出さない
③正しい解答用紙に記入する
④どちらの選択肢を選んだか明記
⑤丁寧な文字を心掛ける
⑥基本的な形式を尊重する
⑦接続詞をきちんと用いる
⑧同じ単語の繰り返しを避ける

※指定文字数はあくまで目安なので、最低文字数の90%(つまり135 palabras)書けていれば問題ありません。

解答用紙には、Tarea1、Tarea2と明記されているので、反対の解答用紙に記入しないように注意しましょう!(ありがちなミスです)

枠外に書かれた文字は採点対象から外されてしまうので、きちんとすべてのワードを枠内に収めて書くようにすることも大切です。

また、Tarea2では選択肢を自分で選ぶことができるので、どちらを選んだかを記入するのを忘れないようにしましょう。

Opción 1かOpción 2と作文の初めに左上に書くだけでOKです!

試験では、手書きで文章を書くことになります。

採点者も人間です。字が汚ければ印象は悪くなるし、採点の結果にも響かないとも限りません。

はっきりと読める文字で書くことをおすすめします!

基本的な形式を尊重する
接続詞をきちんと用いる
同じ単語の繰り返しを避ける

残りのこの三点については若干テクニック的なことを含むので、項目を分けて詳しくご紹介します。

基本的な形式を尊重する

例えば、Tarea1の企業や自治体へのEメールを作成する課題についてです。

個人に向けた手紙なら単純に宛名と差出人、日付を書けばいいのですが、企業宛ての手紙では、送り先の住所や電話番号まで記入するのが、実際の決まりのようです。

また、手紙形式のTarea1ではUstedの形で書くのが無難です。

特にスペインでスペイン語を学んでいる方、Ustedes形で書くときは、動詞の活用に注意しましょう!

Tarea2のデータ・文章に関する考察を述べる筆記試験では、まず初めに簡単なテーマを記入しておくことをおすすめします。

繰り返しになりますが、どちらのOpción(選択肢)を選んだのかを明確に書かないと、採点してもらえない可能性があります。

具体的には、下記のような感じです。

(解答用紙)

Opción1  ≪Calidad de vida≫
Esta investigación trata el tema de calidad de vida en España…(以下本文)

どういう風に書け!という指示はないのですが、せめてOpción1かOpción2かだけでも、枠内に必ず記載してください!

接続詞をきちんと用いる

普段のスペイン語の会話を振り返ってみると、いつも同じ接続詞(Conectores)を使っていませんか?

Porque…

Por eso…

Pero…

筆者はそうです。

次の項目で詳しく触れますが、スペイン語は、日本語以上に同じ単語の繰り返しを嫌う言語です。

慣れていないと、同じ接続詞ばかりを使うことになり、内容がきちんとしていても「幼稚なスペイン語」という印象を与えかねません。

また、文章がY… Y…で繋がっていると、フォーマルな文章としての説得力を欠いてしまうため、可能な限り、他の接続詞を使用することをおすすめします。

Yがダメというわけではありません。ただ繰り返すのは避けましょう。

ではどのような接続詞を使えばいいのかというと、

Porqueの代わりに「Como」「Gracias a」「A causa de」などの接続詞を用いれば、文章が少しかっこよく、そしてスッキリします。

他にも、Peroの代わりに「Sin embargo」を使ったり、「Aunque」を用いた文章に置き換えれば、全体で見たときにより「スペイン語らしい」表現に近づくことができます。

同じ単語の繰り返しを避ける

先述した通り、スペイン語は「同じ単語の繰り返し」を嫌う言語です。

日常会話では無意識に使ってしまうCreerという単語も、筆記試験や面接試験内でCreo que~を連発してしまうと、子どもっぽい印象になってしまう可能性があります。

En mi opinión」や、「Desde mi punto de vista」などの言葉に言い換えてより美しい文章を目指しましょう。

これは、文章の構成に限ったことではなく、単語や形容詞、動詞にも当てはまります。

例えば「もし一つ選ぶとしたら、Aを選ぶでしょう」という文章でも、Si tuviera que elegir una opción, escogería la Aと書く、ということです。

ElegirとEscogerは同じ「選ぶ」という単語ですが、一文の中で同じ単語の重複を避けるために、このような類義語を用いると良いようです。

いろんな単語の言いかえができるボキャブラリーが必要、ということになります…!

Tarea1 フォーマルな手紙やメールを作成する問題

どのタイプの問題が出題されるかは本番までわかりませんが、だいたいが個人向けの手紙か、企業・自治体へ向けてのクレームや嘆願書のパターンがあります。

ちなみに筆者が書いていた形式は以下の通りです。

個人に向けた手紙

▲手紙の記入例

個人に向けた手紙では、例えばお世話になった先生への感謝の手紙や、祝賀会の招待状などが想定されます。

その他では、自分が有名作家である賞を受賞して、ファンに感謝の手紙を書く…などのテーマもあり、その場合は、Estimados Señoresとなります。

性数一致するので注意!

企業、自治体に向けた手紙

▲手紙の記入例②

こちらは個人に向けた手紙よりももう少しフォーマルな形式が必要になるので、企業名、住所などを記載します。

宛名に関しては、A quien correspondaを使うと汎用性が高いですが、明らかに手紙の相手が明確なときには、その名前をダイレクトに書いてもOKです。

宛名の後ろには必ず「」をつけましょう!

正直、手紙の形式に関しては、いろんな形があるようで、筆者もどれが「完全な正解」なのかわからずにいました。

スペイン語で「Cómo escribir una carta formal」と書くと情報がいろいろ出てきますので、気になる方はチェックしてみてください。

ただし、この「形式」が少し間違っていたとしても、点数にそこまで影響はないと思います。

ここで最も重要なのは、「フォーマルな単語を使って、適切な構成の文章を作成できるか」です。

Tarea2 選択肢① データを分析、説明する問題

Tarea2は選択肢が与えられるので、比較的に気持ちが楽です。

わからない単語が多そうなテーマを避けることもできます。

個人的には、選択肢①のデータ分析の方が慣れてしまえば書きやすいのかなと思ってこちらの練習を重点的に行いました。

一般的なテーマ「健康問題」「環境問題」「教育」「インターネット」などに関するデータがよく出題されているようです。

この問題では、基本的に以下のような質問に対する回答が必要です。

・テーマの説明
・データの比較、特出すべき点への言及
・個人的意見
・結論

これだけ見ると難しそう…と感じられる方も多いかもしれませんが、実際は自分のことに話を持っていきやすい問題でもあります。

例えば、以下のようなグラフがあるとします。

まずはグラフの説明を簡単に行います。

この場合、データから読み取れるのは「気候が多いという理由でスペインに来ている人が一番多い」「サッカー目的が来ている人は料理目的の人の2倍もいる」などです。

その後「私の場合は…」と自分の話に持っていけば、書く話題はたくさんありますよね。

さらに自分の意見を言う際には、「Me parece extraño que 接続法」などの構文を積極的に用いれば、文法理解ができていることを自然とアピールすることができます。

筆記試験で得点を伸ばすためには、B2で習ったことを幅広く活用できていることを表現するのも必要になります。

Tarea2 選択肢② 文章を要約、説明する問題

こちらも基本的な考え方は、選択肢①と同じです。

書かれているテーマに関する概要、文章の要約、意見やアドバイスなどの作文です。

例えば、とある映画に関する映画評論を読んで、それの要約と自分の意見を述べる、といった感じです。

〇〇だから××した方がいい(例:子どもと一緒に楽しめるから家族でこの映画を観た方がいい等)という方向性で文章を書けば、自然と「Os recomiendo que 接続法」の構文を使うことができます。

可能な範囲で接続法を用いる構文を散りばめると、B2っぽい文章(笑)になり、採点者の目を引くことができます。

まとめ:こなれた文章を目指す!

筆記試験対策で重要だと感じる点をもう一度まとめると、以下のようになります。

作文の形式に慣れておく
積極的に複雑な構文に挑戦する
同じ言葉を繰り返さない

その他、枠内におさめる、選んだ選択肢を明記するなどは注意すればいいだけの話なので、問題ないと思います。

「こなれた文章」というのは、決して詩的でゴージャスな文章という意味ではありません。「的確にフォーマルな文章を、適切な場面で使いこなせる」ということが重要なのです。

そのためには、スペイン語の特徴(繰り返しを避ける)だけでなく、幅広い語彙力、そしてそれを正しいスペルで筆記するスキルも重要になります。

筆者はS,Z,CとR,Lのスペルの書き分けが壊滅的に苦手です!

また、普段スマホで打つと勝手に修正されるティルデ(アクセント)がきちんとついているかの確認も重要です。

基本的なことを見逃して減点になってしまっては勿体ないので、日ごろから正しいスペリングを意識して過ごしましょう!

以上、DELE B2の筆記試験対策でした!

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